フダンヅカイ
豊かなノイズが生まれる場の発明をめざして ~株式会社ツクルバ中村さんと、お酒を飲みながら小一時間~

第1回 お酒を飲みながらということで

加茂 今日はお酒を飲みながらということで。
中村 はい、飲みながらやりましょう(笑)
加茂 では、乾杯!
中村 乾杯!
加茂 そういえば、中の人(co-ba入居者)から
インタビューされたことってないんじゃないですか。
中村 ないですね。
加茂 中にいるから聞ける話はあるのかなと思って。
今回お時間をいただいたわけなんですけども。
中村 けどこれはパブリックになってしまうわけですよね。
加茂 パブリックになりますね。
身内っぽい話はするつもりはないんですけども。

最初に聞きたいこととして、
co-baはコワーキングスペースとして
有名になったと思うんですが、
co-baができた当初はそんな印象が無かったんです。
最初コワーキングスペースと謳ってなかったような
気がしたんですけど。
中村 立ち上げ当時のco-baは
「クリエイターのためのコワーキングスペース」
と謳っていました。

これはインタビューでもよく言っているのですが、
なんではじめたんですかと聞かれるじゃないですか。
その時に、僕自身も独立したときに、
フリーランスになるのってヘビーだなと思って、
会社やめて1週間くらい何もなかったんですよ。
仕事もないし。案件を持っていたわけではなかったので。

家で起きては、映画見ようかな。
でもそれレンタルしたら収支はマイナスだよな、
とか。でも案件がないので、
どう頑張ってもプラスじゃない自分がいる。
加茂 それでco-baを立ち上げることになったんですか。
中村 フリーランスになるって、
経理だったり、営業だったり、プロモーションだったりは、
1人ではやらないじゃないですか。
そこらへんとか全部やってくれる人が
いたらいいのになと思って。

これは普段も言っているネタですが、
レーベルがあったらいいなと思ったんです。
で、そこに自分が属している。
独立しているか、企業に入っているか、
のどちらかでもないものがあったら楽だなと思い、
浩輝(株式会社ツクルバCEO 村上浩輝氏)と話していて、
「一緒にその人達が働いていたらいいんじゃないの?」
という話になってきて、
「シェアオフィスか」という感じになった。
加茂 はい。
中村 でも、世の中のシェアオフィスを見ても、
ピンとこないんですよ。
デザイナー目線で作っていないというか、
「プリンターは白黒なんですよね」とか言われても、
白黒じゃしょうもねえな、という感じになったりして(笑)、
なかなかフィットするものがないなと感じてたんです。

自分自身にフィットするシェアオフィスがあれば
入りたいなと思っていたんですけど、
レーザープリンターとかも家に持っているわけもなく、
インクジェットもだいぶ古くなっちゃっていて、
買い換えるのかなとか考えていたら、
それもまた出費じゃないですか。
加茂 どんどんお金がなくなりますよね(笑)。
中村 負のスパイラルが(笑)。

で、そんなことを考えていて、
シェアオフィスを調べてみようかなと思って、
それこそco-labとか、
すでに東京にあったシェアオフィスを見たわけです。

そんなこんなしているうちに、
btrax社のブランドン・ヒル氏が書いているブログで、
サンフランシスコのコワーキングスペースのネタが
あがっているブログがあって、それを見たんです。
そしてこれは、東京に既にあるものとは違うなと。
西海岸なので、海岸沿いにオープンテラスがあったり、
天井も高い。いわゆる、一目見てここで働きたいなぁと
思う空間だったんです。

これだよね、となって、ブースっぽくもなく、
その当時はコワーキングとは何なのかとか、
全然分かっていなかったのですが、
なんとなくみんなが楽しそうに
オープンに仕事しているんですよね。
こういうことなのかなと思って、
コワーキングという単語を知ったんですよ、
それが去年(2011年)の6月とか。
加茂 その頃は、日本でコワーキングという
単語が出始めた頃ですよね。
あるにはあったけど、ようやく定着してきたみたいな。

co-baができてから、「コワーキング」という単語を
あちこちで目にするようになりました。
中村 僕らも参加したんですけど、
2011年8月3日にnew work cityという、
ニューヨークでやっているコワーキングスペースの
立ち上げ人であるトニー・バッチガルーボさんの講演会が、
コクヨのエコライブオフィス品川であったんです。

そこに、PAX Coworkingの佐谷恭さんとかも
出られていて、これはなんか、
俺らも(この講演会に)行くしかないんじゃないの、
ってなって、20人、30人くらいしか
来ないんじゃないのかなと思いながら、
参加ボタンをぽちっと押したら、
1週間くらいで100人くらいになっていて。
やばい、これは「熱」がこもっているのかなと。
世の中にも注目され始めているんだろうなと感じたんです。

当日行ったら、横浜でやろうと思っているんですよね、とか、
渋谷でやろうと思っているんですよね、とか、いるんですよね。
これ、完全にライバルじゃんって思って。
加茂 じゃあすぐ作らなきゃ、ってなりますよね。
中村 そうですね。一刻も争う事態だなと思いました(笑)。
その時に会った方々は、
いま渋谷でJELLY JELLY CAFEを
やっている人たちだったり、
横浜でやっているタネマキの方だったりします。
加茂 あのころ、コワーキングスペースが一気に出来ました。
co-baを作っている間にも周りが作っていたんでしょうね。
中村 みんな仕込んでいたんでしょうね。
8月3日でそういうような人達がいて、
で、10月くらいから動き始めて、
そんな中でのco-ba立ちあげだったので、
ちょっと焦っていました。
加茂 結果的には、その人達の中で
co-baが一番最初にできたんでしたっけ。
中村 いや、JELLY JELLY CAFEのほうが先ですね。
加茂 あ、そうだったんですか!それは知りませんでした。。
まえへ 最新の更新へ つぎへ