フダンヅカイ
豊かなノイズが生まれる場の発明をめざして ~株式会社ツクルバ中村さんと、お酒を飲みながら小一時間~

第3回 カフェの空間設計

加茂 中村さんはco-ba、co-ba libraryだけでなく
池袋で「A.P.T Lounge」という
カフェも経営されていますよね。
そこはco-baとはまた違う空間設計なんですか。
中村 カフェのほうも余白を作っていたんですけど、
その余白を自分で埋めようとしていました。
カフェの方は、3×16の48個の棚があって、
それを展示空間にしていたんですよ。
で、その48個のマスを自分で、
「A.P.T. gallery」という企画を立てて、
ギャラリー化していたんですね。
でも、これは自作自演なんですよ。

で、なんかそれがあんま面白くないなと思っていたら、
突然外部の人が、「A.P.T. gallery」の枠組みを借りて
やらせてくれないですかと言ってきてくれて、
ああ、こういうことかと。
プラットフォーム側になって、
やりたいといってくれる人と一緒に
やっていくという方がよっぽど面白いなと。
加茂 空間はルールがないからこそ面白いんですよね。
ある程度ベースとなる面白さはあるんだけど、
その上に何を乗せるのかはみんなの自由だよっていう。
中村さんはそういう空間作りをしているんですね。
中村 (PCを見せながら「A.P.T. gallery」の説明を続ける)
こういうマスがあって、奥にアートワークが
入ったりするんですけど、個々に全部物を置けるんですよ。
48個の棚があって。
こういうイベントがあったりしていたんですけどね。
加茂 これが中村さんが初めて手がけた空間設計なんですね。
中村 そうですね。自分たちで仕掛けて設計も行った空間は
これが一つ目でしたね。
加茂 お客さんが使い方の道筋を作っていってくれたんですね。
中村 そうですね。まさに。
人に「A.P.T. gallery」の企画とかを預けると、
僕が思い描いていないような使い方をするんですよ。
で、そういうことって人と一緒にやると
たどり着けるんだなって。それが面白かったです。
加茂 中村さんが作る空間というのはコワーキングというか、
みんなと一緒に、みたいな感じなのかもしれないですね、
中村 あんまり1人で作りきって、自分の世界観を提示する!
ということはあまり考えていなくて、
これとかも、このペイントを追加で入れたんですよね。
(描きながら説明)前のアートワークとバトルして、
みたいな感じで(笑)。
加茂 いいですね。
どんどんフリーダムな感じになっていく。
中村 様々な主体の思惑が絡んで、
カオスな仕上がりになっていくんですよ。
加茂 この過程は楽しいですね。
中村 まるで東京の風景のようで楽しいですね。
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