フダンヅカイ
豊かなノイズが生まれる場の発明をめざして ~株式会社ツクルバ中村さんと、お酒を飲みながら小一時間~

第4回 co-ba libraryはなかった?

中村 カフェを作った当時は、
「これは東京の都市空間のメタファーだ!」
とか言っていました。

東京の都市空間は、いろんな人が介入しては
好き勝手やるじゃないですか。
それぞれの思惑の重ね合わせで全体像ができている。
全然西洋の街並みに比べると、統合されていないというか、
統一感が全然ないんですけど、ただ、それが東京だなと。
加茂 京都みたいに整備しろよと言われても、
これが東京の楽しさだってところはありますよね。

そんな東京の渋谷でco-baを立ちあげて、
いろんな人が集まってきて、
作った当初想像していなかったことは
起きたりしたんですか。

初めは「こういうふうになったらいいな」と
描いている未来ってあるじゃないですか。
それを越えるようなことはあったのかなと。
中村 想像していないことばかりですね。
中村 例えばですけど、立ちあげの時も、
オーナーさんの許可がなかなか下りなかったんです。
シェアオフィスって、
「オレオレ詐欺」の事務所になっていたり、
そういう背景があるので、
オーナーにしてみればなかなかネガティブなんです。
そんな中、まだまだ浸透していない
コワーキングとか言っているし、
しかもこんな若造で、借金まみれになって、
大丈夫か?みたいな。
でも、結局はOKを出してくれました。

そして、co-ba libraryをやろうかなって思っていたものを
後押ししたのは、実はオーナーさんなんですよ。
ふとした時に電話かかってきて、
「6階やらないの?広告出していないからね。がちゃん」って。
広告出していないってことは、借りろってこと?みたいな(笑)。
これはやれということかと。
中村 そんなことを浩輝と話していたら、
リアルに計算してみようということになって、
やってみたら、意外とキャッシュ的にはあり得ると。
まあ、やるかやらないかって話になった時に、
ちょうどヒカリエの中にもいろいろな
スペースができるとなっていたので、
これはなにか先手を打たなきゃだめだなっていう
タイミングだったんですよ。

なので、そういう状況でもあったんですが、
後押ししてくれたのはオーナーさんだったんですよ。
「6階広告出してないからね」の一言だったんです。
加茂 オーナーの考えが、
co-baを作ってから一気に変わったんですね。
中村 そうなんだと思います。
オーナーさんはもうおじいちゃんで、
本当に僕のおじいちゃんと同じくらいなんです。

で、そのおじいちゃんオーナーさんが、
僕らと出会ってからいきなり
佐々木俊尚さんの本とかを読み始めるんですよ。
加茂 若返っちゃってますね(笑)。
中村 「中村さんたちのやりたいことってこういうこと?」って、
佐々木俊尚さんの本とかを出しては、
「こういうのだと思ったんだよね。」って。
「まさにです!」みたいな(笑)。
加茂 元々頭がいい人なんですね。
中村 頭のいい方ですね。すごく(頭が)キレる人で。
なので、新しいものを大好きでしょうし、理解もあるんですよね。
加茂 じゃあ、co-ba libraryは、後押ししたオーナーさんが
いなかったらできてなかったのかもしれないと。
中村 そうですね。
まえへ 最新の更新へ つぎへ