加茂 | co-baは今、結構メジャーというか、 色々な媒体に取り上げられて、co-baの中村さんという感じで 呼ばれたりはすると思うんですけど、 中村さんってその流れの中であえて、 自分が有利な立場、有名人の立場にならない場所に 行こうとするじゃないですか。 そのあたりが面白いなぁと思っていて。 |
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中村 | そうですかね(笑)。 たぶん、根本的に、スペシャリストよりも、 ジェネラリストよりなんですよ。 良く言うとそうなんですけど、 たぶん、器用貧乏で、いろんなことが好きなんですよね。 で、アウェイに行けば行くほど、盛り上がるというか、 自分の中で。 |
加茂 | 僕もそうです(笑)。 アウェイに行って、自分がまったく知らない技術や知識を 持っている人がいると「教えてほしいな」と思うんですよ。 自分ができないことを勉強したいんです。 自分より一回り上の年齢の人達が集まるイベントとか 行ったりしますか。 |
中村 | 行きますね。 |
加茂 | co-baの入居者って中村さんと同世代の人が多くて、 管理人だから当然イベントのお誘いが たくさん来ていると思うんですけど、 あえて関係のないイベントに行く。 それってすごいなって思うんです。 co-baの中で進んでいるプロジェクトに話を移すと、 話題になりやすいのはプロダクトをどんどん生み出す ITスタートアップ系なんですけど、 中村さんはその中で1年か2年、 へたすると10年単位くらいのプロジェクトに 関わっている人たちをよく見ているなと感じます。 やっぱりあれは意識して見ているんですか。 |
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中村 | そうですね。 偶然というのはあるかも知れないですけど、 僕自身がそっちよりの話題のほうが 好きというのがあるのかもしれないですね。 僕は、自分がIT畑じゃないというのが1つあるんですけど、 やっぱり建築や都市を学んできた結果なのか、 短期的なスパンのものづくりよりも、 長期的なスパンのものづくりのほうが シンパシーを感じるんですね。 まちづくりとか、めちゃくちゃ泥臭くて。 1年後何が変わっているのって聞かれても、 見た目には何も変わっていないのかもしれないですけど、 10年後には変わっているかもしれない という仕事に燃えるんですよね。 |
加茂 | 僕も長いスパンの話は好きです。 僕は、土台を築けるような人になりたいんですよ。 今って、土台を作るよりは誰かが作った土台の上で踊りたい、 みたいな人が多いので、 じゃあ長く使ってもらえる土台を作ろうかなって。 それが「フダンヅカイ」なんです。 中村さんは今まちづくりの話をされましたが、 その一環としてco-baを作られていたとしたら、 まだできてから半年ちょっと。 この間にあった主なこととして、 スタートアップが色々なサービスを立ち上げて、 話題になって…ただ、まちづくりとして考えると、 歴史の中のほんの一部ですね。 |
中村 | 一方で憧れもあるんですよね。 ITスタートアップのスピード感ってすごいじゃないですか。 自分が思い描いたら、1から10くらいまでは自分で作れてしまう。 最近思ったのは、そもそも建築とかって、 そもそもとして、コワーキングなんですよね。すでに。 |
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加茂 | あ!言われて気付きました。 そうですよね。みんなで技術を持ち寄って、 設計できるよとか、塗装できるよとか。 |
中村 | そもそもがチーム戦で、祝祭的な感じがするんですよね。 チームで5人いれば、頭から最後までできますという状態は、 建築的にはすごく憧れです。 けどありえないんですよ、建築だと。 なので、自分はここまではやるけど、 ここから先はお願いね、みたいな、 本当にチームワークでしかなくて。 だからもちろん、上の世代の人ともチームを 組まなきゃいけないし、そのスパンもすごく長いし。 実は自分が関わるのも、 初めのこのぐらい(少し)かもしれないけど、 そこから先は職人さんが頑張るとか。 全体を全部管轄できなくても、自分の作品だと思えるというか。 |
加茂 | 家を建てている現場を通ったとき、 お弁当食べたりお茶飲んだりしている人達が 楽しそうにしていた様子を思い出しました。 それを思い出すと、建築ってコワーキングですね。 |
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