フダンヅカイ
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もくじ
はじめに 元気のもと
第1回 量が質を生む
第2回 なんでこれをやろうと思ったの?
第3回 日本で閉じている必要がない
第4回 私がいちばん楽しんでる
第5回 クリエイティブ・コモンズ
第6回 イノベーションをどう作っていくか
第7回 早く利益を出さなきゃいけない
第8回 結びついた時のワクワク度

第6回 イノベーションをどう作っていくか

今はクリエイティブ・コモンズの活動がいったん落ち着き、
メディアラボで具体的にやりたい課題が見えているから、
しばらくそっちにシフトしようかなっていう気持ちがあります。
(編集部注:メディアラボ=MITメディアラボ、
 米国マサチューセッツ工科大学建築・計画スクール内に
 設置された研究所のこと)
加茂 メディアラボでやりたいことというのは、
ロフトワークでやることとはまた別になるんですか。
ロフトワークも使いながら、
イノベーションをどう作っていくかっていう。
クリエイティブ・コモンズももちろんそうだし、
インターネット時代のビジネスのあり方っていうのを
日本の大企業がみんな追求していて、
ロフトワークはそういう大企業のパートナーとして、
いかに彼らが新しい価値を生み出すビジネスを
設計できるかっていう形で普段から動いているから、
そう意味ではロフトワークがやっていることと、
メディアラボのスポンサー企業が
目指しているものってすごく近い。

クリエイティブ・コモンズよりは
もっと目に見える成果を生み出していけるし、
それを世の中に問うて、
「これってどう?だめ?じゃあこうやろうか」
って動かしていける。
クリエイティブ・コモンズは著作権を扱っていて、
幅広くあまねく法律を作るような話だから、
結構砂漠に水的なところもある。

さっきドミニクの本
(※フリーカルチャーを作るためのガイドブック)
がいいよねって
言ってくれたのはすごい嬉しいんだけど、
もっと前からクリエイティブ・コモンズの本って
何冊か出ているんです。
でもなかなか社会全体に届くまでは乖離があったりして。
加茂 他の本は学術書みたいで
購入しづらいっていうイメージがあります。
その中で、ドミニクさんが書いた本は
「フリーカルチャー」という単語に
置き換えたところが大きいのかなと思っています。

たぶんクリエイティブ・コモンズの本って
思想が書いてあると思うんですけど、
その先が見えないというか。
創始者のローレンス・レッシグの書いた「CODE」を読むと、
雷が落ちたようなビジョンが見えるよ。
本当に、大きいブルドーザーのような言葉で。

世界中の人が彼のスピーチを聞きたがるのは、
本当に彼が話すと、ピカって感じの後光がさす鋭さなんだけど。
「CODE」は分かりやすい本じゃないんだけど、すごいかっこいい。
加茂 その本は読んでみます。
ぜひ
加茂 それで、さきほどのメディアラボの話に戻しますと…
そうだね。イノベーション。
イノベーションっていうか、イノベーションの本質は、
それに触れるまでは想像もつかないんだけど、
触れてみたら「なんで今までこれがなかったか不思議だよね」
っていうのがイノベーションなので。
そういうものを小さくてもいいので
生み出していくっていく事をやりたいなと。
加茂 それはネットなのか、プロダクトなのかは
まだ分からない感じですか?
もう融合だね。
たぶん、ネットとモノは融合していくと思う。

今オムロン ヘルスケア社とやっている「ねむりラボ」も、
眠りセンサーがある機械と、それをデータでネットで繋げて、
眠りってそもそも私たちにとって何なんだろうっていう
ソーシャルでの対話、だったり。
モノとネットがどんどんとくっついていくんだよね。
加茂 今、リアルとネットがすごくいい形で
混ざりつつある時代になってきましたよね。
それこそ、ロフトワークではOpenCUとかFabCafeがあって。
例えばOpenCUでやっている講演を中継すると
いろんな人がコメントを書いてくれて、
そこから講演内容が活性化するとか。
気軽にインターネットからリアルの世界に
参加できるようになってて。
そこからまたいろんなことが生まれてくるんだろうなって。

ロフトワークがすごいなって思っているのが、
だいたい一番じゃないですけど、
そういうことをほぼ先駆けでやっているじゃないですか。
あれって林さんの中で、
危機感みたいなものでやっているんですか。
全然。危機感はあまり持たない。比べない。
人も知らないけど、ワクワクってしたらやろうっていう。
加茂 なるほど。
たぶん、そのワクワクがいろんな人に伝染していって、
形になるんでしょうね。
震源地みたいな感じなんでしょうか。
どうなんだろうね。
中田 震源地かもしれないですね。
でもワクワクって基準は…
まあワクワクは伝染しやすいからね。
加茂 「これ楽しそうじゃん!」
って言ったらそれができちゃうみたいな。
ね。
FabCafeだってわざわざ1回やめた社員が、
シンガポールから戻ってきて
「僕、前からクリエイターのカフェやりたいって
言ってたじゃないですか。覚えてますか」みたいな。
まあ覚えてなかったんだけど(笑)。
加茂 おもしろいですね。
うん。すごい良かったって思って。
で、海外でやったらいいよねって思っていたら、
たまたま来た人が、これ台湾でもやりたい、ドバイでもやりたい
とか言ってみんなが集まって、じゃあやろっか、みたいな。
加茂 FabCafeの台湾ができたら行きたいです。
何が材料として使われるかとか興味あります。
1年後にどうなっているかだよね。

(つづきます!)

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