フダンヅカイ
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第1回 思い、気持ち、空間を大事に

加茂 今日はよろしくお願いします。

最近ホームページに載っている活動を見ていると、
nothing ever lastsはライブハウスではなく外で、
例えば海とか、みんなと音楽を楽しめる場所で
ライブをしていることが多いですね。
ネル そうですね。
最近外でライブをやることが多い理由は、
ライブハウスは高いっていうのが一番でかいんです。

ライブハウスはノルマというものがあって、
簡単に計算すると、都内のライブハウスだと
チケットのノルマが20枚。
そしてチケットの値段が
だいたい1枚2000円なんですよ。

つまり、4万円。
4万円といったらリハーサルスタジオを
一日貸切できるくらいだから、
値段がおかしすぎるんです。

それだったら日本のライブハウスから
離れたほうがいいんじゃないかということになって。
僕らはどこでもライブができる体勢になっているから、
どこでもやってやろうと。
加茂 そうだったんですね。
ライブハウスでのライブの予定が書いてなかったので、
方針転換したのかと思ってました。
ネル 全国ツアーが終わったばっかりなので、
8月はとりあえず、楽曲制作期間にがっつり入っています。
アルバムを年内には出したいので、
みんなツアーも終わって疲れていたから、休もうかと。
加茂 アルバム楽しみですね。

ところで、先日のワンマンライブが終わってから
何か心境の変化はありましたか。
全国ツアーのファイナルをワンマンライブで終えて、
何か見えてきたものはあるかなと。
ネル 難しいんだよね。
ここで言うのもあれなんだけど、
ワンマンライブの時は、無難すぎた。

僕らはハプニングありき、
ミスもあっていいじゃんっていう
ライブ音楽を歌ってきたんだけど、
ワンマンライブはそのまま音源通りに
演奏することになっていたんです。
お客さんからは「楽しかった」と言ってもらえたんだけど、
僕としては振り返ってみると物足りなかった。

だから、あのワンマンライブで、
何かに挑戦しないとワクワク感とかドキドキ感は
生まれないんだとすごい思いました。
ワンマンライブで演奏した曲は
練習しなくてもできる曲ばかりだったから、
プラスアルファで遊び心を入れられなかったのが
ちょっと残念だったなと。
加茂 ひょっとして、遊び心がないと思ったから
アンコールの一曲目に、
「急にこの曲を歌おうと思いました」と、
予定になかった曲を歌ったんですか。
ネル そう、まさに。
よく覚えててくれましたね。
あれはもう、来てくれたお客さんへの感謝です。

ワンマンライブはすごく楽しかったですよ、
それは間違いない。
決して悪いライブではなかったんですが、
もっとできたはずっていうのは正直ありました。

でも、それでもお客さんが集まってきてくれて、
こんなにたくさんの人たちが
応援してくれているっていうのを感じて。
じゃあもう、この曲(※「真夏の雨」)でいこうと。
昔の曲だったのでいまいち覚えていなかったんだけど(笑)、
これはやるべきだなと思って。
その瞬間、一瞬でできた思い、気持ち、空間を
大事にしながら歌いたかったんです。
加茂 ネルさんは今までストリートライブをやったり、
自分が歌いたいと思った日本の曲を
YouTubeでご自身でアップしたり、
その時、その時に一番合う曲を歌ってきましたよね。
だから、アンコールの時に予定にないけど、
その場に合う曲を歌えたのかなと思ったんです。

僕は時間が合わずアンコールからしか
見られなかったんですが、
最初に「この曲を歌おうと思いました」
というMCからスタートしたので、
本気でこの曲を歌いたいと思って
やったんだろうなって思ったんです。
あの曲はすごく伝わるものがありました。

で、あとからCDをもらって気付いたのは、
「真夏の雨」はかなり古い曲だったということで。
ネル あの曲は古過ぎてCDに入ってないですからね。
最初の最初のデモ。だから50枚しか作らなかった。
結成して1ヶ月くらいで作ったデモなので、
あれは幻の曲です(笑)。
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