加茂 | 最近のnothing ever lastsの活動を見ていると、 自分たちの曲を通じてみんなと 手をつないでいきたいんじゃないかなと思ったんですが。 |
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ネル | まあ、それがライブだからね。 生でしかできないことなので。 ライブ会場とか、路上ライブとか、夏フェスとか、 みんなが一体となって、これ気持ちいいなとか、 それは音楽の力なんですよね。 音楽以外にみんなが一体になれる力を持っているものは なかなかないと思います。 映画にも力はあると思うんだけど、規模が少し小さい。 音楽は何万人じゃないですか。 一緒にこれいいね、って思えること。 それを追求していきたいんだよね。 一瞬の楽しさ、どれだけみんなと一緒になって、楽しくなって、 っていうことなんだよね。 だから意識的にはそういう傾向はあるかもしれないですね。 |
加茂 | みんなで歌おうよって感じですよね。 曲もみんなが歌いやすい曲になってきているのかなと感じます。 カラオケで歌いやすいっていうか。 |
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ネル | そうですかね。 英語が多くなってきたんだけど(笑)。 |
加茂 | それは自分が伝えたいことを伝えきるためには、 ここで英語で言わなきゃいけないってことが 分かってきたんじゃないかなって。 |
ネル | 基本的に曲を作る時は、昔も今もそうだけど、 出てきた言葉で作ります。 考えて、これは英語、これは日本語、とかは全く考えない。 そこで例えば、「「愛している」という言葉」という曲だったら、 サビのところがそのまま日本語で出たんだよね。 もう日本語が出てしまったから、これは日本語だって。 違う曲だったら、英語の部分だったらそこがそのまま出た、 歌詞を英語で作って日本語に翻訳して… みたいなことはしたことがないです。 |
加茂 | ネルさんのリズムで言葉が出ているってことですね。 |
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ネル | そうだといいですね(笑)。 |
加茂 | これだけ歌っている様子とか、ライブを見ていると、 音楽が好きってこと以上に日本が好きなのかなと思います。 来てから5年目ですけど、 日本に対しての印象は変わったりしてますか。 |
ネル | 変わったのかな。でも自分が変わったかな。 僕の中では日本の印象は変わらないんだけど、 やっぱり自分が変わったね。 日本に来たばかりの時は 自分の中に日本のネルと、アメリカのNelsonという 2つの人物がいたんです。その2人がどんどん融合してきたのかな。 僕には伝えたいことがあるし、 本当に心から思ってることを言うので、 どうやって伝えていけばいいかという意識が どんどん強くなってきています。 だから、最近よく 「ネルはどんどん生意気になってきたな」 って言われるんだけど(笑) |
加茂 | そうなんですか(笑) 日本に来たばかりの頃の写真と、今の写真を見ると、 ネルさんの今の写真がすごく日本人っぽく見えるんです。 |
ネル | 日本人に見えてきたんだー(笑) |
加茂 | なんとなくそう見えるんです。 当然、顔の作りを見ればアメリカ人と分かりますけど、 さっきおっしゃっていたとおり融合してきたというか。 |
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ネル | 言っていることは分かります。 だって俺、今日本語で喋ってるんだよ(笑)。 もう、日本人になってきたのかな。 でも、結局日本人、アメリカ人関係なくどの国の人も、 落ち着いて、安心して、自信持って日本で生活をしていたら、 みんな同じ顔をするんだろうなって。 そういうことなのかもしれないですね。 |
加茂 | みんなが同じ言葉を話して、同じところに住んだら 同じ顔になるのかもしれないですね。 |
ネル | そうでしょうね。 それは日本にいる日本人ではなくて、 日本にいる人間みたいな感じで。 |
加茂 | 今聞いてて思ったんですけど、 たぶん「人間」っていう考え方が ネルさんの根っこの部分にあるんでしょうね。 どんな国でも好まれる音楽ってありますよね。 そういったところで人間っていう考え方は、 音楽をやっている人にとっては大事なことなのかなと。 |
ネル | 音楽はどこの国でも通じる唯一の言語だからね。 日本語だろうと、英語だろうと、 関係なく、いいものはいい。響くものは響く。 (続きます。次回更新は9月7日!) この連載を初めから読む場合はこちらから! |
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