―― | 週刊SAKELIFE、記念すべき第1回は SAKELIFEができるきっかけになった日本酒を ご紹介いただけるということで。 |
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高橋 | はい。今回ご紹介する日本酒は、 九州にある熊本県酒造研究所というところで 作られている「香露」です。 普通九州っていうと 焼酎をイメージされる方が多いと思うのですが、 実は日本酒も美味しいんですよ。 熊本県酒造研究所は、 蔵の名前の通りもともと日本酒の研究所で、 100年近くの歴史をもつ蔵です。 この蔵で使われている熊本酵母(9号酵母)は、 フルーティな味と香りを生み出す酵母として知られていて、 ピーク時には平成4年の全国新酒鑑評会で 上位酒292点中222点が この熊本酵母を使用したお酒でした。 |
―― | そんなに使われたんですか! |
高橋 | そうなんです。 そしてこの時、お米の山田錦との相性の良さから、 「YK35」という言葉も生まれています。 (※山田錦×熊本酵母×精米歩合35%にすれば 金賞を取れる酒ができるとされたことから) |
―― | そんな用語があるとは知りませんでした。 ところで、この日本酒がなぜSAKELIFEが始まる きっかけになったんでしょうか? |
高橋 | 香露は相方の龍史が初めて美味しいと思った日本酒で、 彼が日本酒に目覚めたきっかけになったお酒なんです。 (※SAKELIFEの共同創設者生駒龍史さんのこと) なので、香露が無ければ SAKELIFEは生まれなかったかもしれない。 香露は僕らにとってSAKELIFEはじまりのお酒で、 とても思い入れがあるんです。 |
―― | なるほど。そんなエピソードがあったんですね。 ちなみに香露はどんな味がするんでしょう。 |
高橋 | 香露は比較的甘口で香りもフルーティーですが、 すっきりとしているので口の中に残りすぎず、 乾杯酒でも、食中酒でもどちらでも楽しむ事ができます。 飲む時にオススメの温度は常温~ぬる燗で、 温めれば温めるほど甘みがましていきます。 なので、飲む前に事前に冷蔵庫から出しておき、 常温に戻しておくと良いかもしれません。 |
―― | 保存する時は冷蔵庫に入れておけば良いんですか? |
高橋 | そうですね。 あとは冷暗所に置いて保管していただいても大丈夫です。 |
―― | ありがとうございます。 ちなみに、香露は「特別純米酒」という表記があるんですが、 これはどういう意味なんでしょう。 純米というのはなんとなくわかるのですが、 特別というのは… |
高橋 | そうですね、まずは特別純米の前に、 純米酒について説明させてください。 「純米酒」は、名前の通り 純粋にお米だけでアルコール発酵させた日本酒のことです。 そして純米酒のうち精米歩合が60%以下のもの、 また製造上に特別な工夫のあるものを 「特別純米酒」と呼びます。 |
―― | なるほど。ちなみに精米歩合というのは? |
高橋 | 精米歩合というのは 「お米を中心からどれくらい残していますか」 という数字のことです。 日本酒では残している割合が 60%未満だったら「吟醸」、 50%未満だったら「大吟醸」 と名乗っていいですよ、というルールがあります。 香露は純米酒で精米歩合が55%なので、 表記を「純米」ではなく 「特別純米」とすることができるんです。 |
―― | 1つの名称にも結構色んな基準があるんですね… |
高橋 | 日本酒は同じものでも熟成度合いや飲む時の温度で 全く味が変わってくるので、すごく面白いんですよ。 なので、この週刊SAKELIFEではお酒ごとの歴史だけでなく、 飲み方等も含めて日本酒の楽しみ方を ご紹介できればと思っています。 今回ご紹介した香露もコースの中で登場する可能性もありますし、 同じようにストーリーや背景のある魅力的なお酒を SAKELIFEで提供していきますので、 興味のある方には1ヶ月だけでも体験頂ければと思います。 |
―― | 次回も楽しみにしています。ありがとうございました! |