フダンヅカイ×SAKELIFE
今週のSAKELIFE

日本酒の豆知識 Vol.01
お猪口について知ろう!

こんにちは!
フダンヅカイの加茂です。

今週より、週刊SAKELIFEでは
日本酒の紹介だけではなく、
より美味しく呑むための豆知識も
掲載していくことになりました。

第一弾は、みなさん何気なく使っているようで
実はすっごい奥が深いお猪口(おちょこ)について。
ワイングラスにたくさん種類があることを
知っている方は多いと思うのですが、
お猪口にもたくさんの種類があるんです。

今週はお猪口の入り口である
たぶんどこかで見たことがあるはずの
「蛇の目猪口」について。
それでは高橋さん、よろしくお願いします!
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こんにちは!SAKELIFEの高橋です。

今週は白地の陶器のお猪口、
「蛇の目猪口(じゃのめちょこ)」について、
解説をさせていただきたいと思います。

蛇の目猪口はよく居酒屋さんなどで見かける、
スタンダードなお猪口ですが、
その模様には実は意味があるんです。

【模様の意味】
日本酒には透明度(冴え)が存在し、
色味によって味をある程度判別することが出来ます。

例えば、黄金色であればコクがあり、熟成の進んだ、
酒本来の風味が味わえるお酒であることが多いです。
逆に、透明で澄んだお酒は
淡麗な口当たりであることが多いです。

そして、蛇の目猪口は
底の蛇の目の模様、青と白の境界線で
お酒の色味を確認することができる
んです。
この模様がついているのには
しっかりとした意味があるんですね。

ご覧の通り、黄金色のお酒を蛇の目猪口に注ぐと色がはっきりとわかります。
ちなみにこのお酒はVol.06でご紹介した「出羽ノ雪(無垢之酒)」です

今度蛇の目猪口で日本酒を飲む機会があったら、
ぜひ注がれたお酒の色を確かめてみてください。
写真を残しておいて、
後日他の日本酒と色を比較してみるのも楽しいですよ!

【蛇の目(じゃのめ)とは?】
さて、模様の意味はわかったものの、
「蛇の目」とは何なのでしょうか?
蛇の目は読んで字のごとく蛇(へび)の目に
似ていることからついた名前ですが、
古くは「弦巻(つるまき)紋」と称し、
弓の弦を巻きつける器具を図案化したもののようで、
武家の家紋にもなっています。
他にも相撲の土俵、蛇の目傘など、
蛇の目という言葉は今もイロイロな物に使われています。

蛇の目猪口を上から見たところ。
たしかに蛇の目に似ているような…?

余談なのですが、
僕は「蛇の目傘」というものを
つい最近まで知りませんでした…
「雨、雨、フレフレ母さんがー、蛇の目でお迎え嬉しいなー」
と、自分でも歌ってたはずなんですが…

失礼しました、お猪口の話に戻ります!

【お猪口の由来】
ここまで蛇の目猪口について
解説してきたのですが、
「そもそもお猪口ってどういう意味?」
という方も多いと思いますので、
最後にお猪口の由来について解説します。

この名前の由来については
様々な説があり面白いのですが、
いくつか紹介させていただきますと

1:猪口→イノシシの口に似ているところからという説。
2:器の意味もある「鐘」という字の朝鮮音読み「チョング」から
3:ちょっとしたものを意味する「ちょく」から。

この3つが有力と言われています。

1は当て字という説があり、
2は「重い器」などを意味することが多いため、
3の説が最有力とされていますが、
「ちょく」という字の由来がわかっていないため
断定はできないそうです。

【お猪口で日本酒を飲もう!】
今週は「蛇の目猪口」について、
そしてお猪口の由来について解説させていただきましたが、
いかがだったでしょうか?

僕はお猪口が今の時代にも残っていることに
とても意味があると思っています。
コップグラスいっぱいに日本酒を注がれると
気分が萎えてしまうのは僕だけではないはず。
少しずつ、ちょっとずつ、
日本酒を楽しむことが好きな人が多いから、
お猪口は今も多くの人に使われているのだと思います。

現代ではワイングラスやコップグラスに
日本酒を注いで飲む文化もあり、
もちろんそれも素敵な試みだと思いますが、
やっぱり日本酒はお猪口で楽しみたいもの。

今度日本酒を呑む時は、銘柄だけでなく
お猪口にも注目してみてくださいね!
(最後までご覧いただきありがとうございました!
 週刊SAKELIFEは、年内の更新はこれが最後。
 次回は2013年1月10日(木)更新予定です。
 皆さま、美味しい日本酒と共に良い年末をお過ごしください!)
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