フダンヅカイ
豊かなノイズが生まれる場の発明をめざして ~株式会社ツクルバ中村さんと、お酒を飲みながら小一時間~

第10回 ノイズについて

加茂 ノイズって単語、最近結構使われていますよね。
中村 ノイズ、言っていますね。
加茂 事あることに言っているなと。

中村さんって、自分でノイズ出していますよね。
ブログタイトルは「こんぶの肖像[*1]」という
わけのわからないものだったり、
一方でPinterestではグラビアアイドルばかり集めたりとか。

ああいうのは、自分で意図的にやっているんですか。
照れ隠しでやっているのか、
本気でやっているのか一瞬分からなくなるんですけど(笑)。
中村 Pinterestの「アイドルソムリエ[*2]」は、
あれは本気でやりました(笑)。
加茂 自分でノイズを作ってますよね。
中村 (笑)。
Pinterestは当時女性向けのアプリみたいな感じで、
女性ユーザーが増えてきて、
そろそろPinterestくるんじゃないかみたいな時だったんですね。

で、co-baに入居しているマーケターの梅木さんも
Pinterestについての考察の記事を書いていて[*3]
一気に女性ファンが増えつつあった時期でもあって、
僕の身の回りの女性陣も結構やっていたんですよ。
身の回りの綺麗なファッション画像とかを
ばんばん並べていて、でも、いやちょっと待て、と(笑)
加茂 (笑)
中村 男子はそんなものに興味はない。
じゃあおしゃれにアイドルをレイアウトして何が悪いの?
ということで、わざわざかっこをつけて
アイドルソムリエをやり始めたら、
身の回りの男子にはウケが良くて、
共同編集したりしようということになって、
スタートしたんですよ。
加茂 あれ共同編集だったんですか(笑)。
中村 そう、共同編集だったんですよ。
そうしたら、やたら外国人の方からふぁぼられたりして、
気付いたらファンがそこそこいるんです。
加茂 ノイズのほうが実は印象に残りますよね。
これからはノイズって大事なんじゃないかなって思うんです。
みんなきれいに作りすぎているので。

例えば、渋谷の街が理路整然とした
すごく綺麗な街になったとして、
その中でストリートミュージシャンいたら
うるさくて印象に残るじゃないですか。
いいか悪いかは別として、
そういうノイズが入ってくるのが大事なのかなと。

co-baって思いっきりフリーじゃないですか。
だからノイズが出やすいのかなと。
中村 あと、出会っちゃう感じですかね。
今のストリートミュージシャンの例えで言うのならば、
ストリートミュージシャンか
タワレコでやっているライブの比較。
タワレコのライブは招待制だし、
入らないでくださいとか言われるし、
出会えないじゃないですか。
けど、ストリートミュージシャンのライブは、
ハチ公の前で待ち合わせをしていて、10分遅れて…、
で、その時面白いパフォーマンスやってる人がいるから
見てみようか、みたいな。その時出会っちゃう。
そういうのが面白いのかなと思いますね。
だから、ノイズは出会えるように
しておくべきだなっていうのはあります。
加茂 僕は中村さんがノイズと言った時に、
日常的にそういうのに出会おうと思っていたので、
単語にされてすごく納得したんです。

僕は何かが洗練されてきそうになった時に、
ノイズを出すようにしているんですよ。
綺麗になりすぎるとやばいっていうのがあって、
手垢がついたくらいがちょうどいいっていう。
それくらいの状態のほうが記憶に残るっていうか。
中村 たぶん加茂さんもホームよりもアウェイが好きなんでしょうね。
そういうところに行くと自分自身がノイズになるので、
それがまた面白いというか。
加茂 「俺とは違うやつに会いに行く」みたいな(笑)。

[*1]本当にこういう名前のブログで、本当に中村さんが書いています。
http://tsukuruba.com/konbublog/

[*2]「IDOL Sommelier」というBoardが本当にあります。
http://pinterest.com/maa20xx/idol-sommelier/

[*3]The Startup「なぜ女性はPinterestにハマるのか?」
http://thestartup.jp/?p=1038

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