フダンヅカイ
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第2回 18日で100人に話を聞いて

加茂 今のトラ男のメンバーは、
武田さんが農家を回って探したんですか。
武田 そうです。車で農家を回って、
田んぼで働いているおばあちゃんとか見かけたら
「東京から来たんですけど、
お米についてお話聞かせてください」
みたいな感じで声をかけて話を聞いていました。
そのつながりでどんどん人を紹介してもらって…
3ヶ月間、18日で100人に話を聞いて。
加茂 100人はすごいですね。
今、トラ男は4人でやっているんでしたっけ。
武田 僕含め、4人ですね。
(詳しくはこちら
加茂 100人に話を聞いているうちに、最終的に
今の3人と一緒にやろうということになったんですか。
武田 そうですね。
加茂 それは3人がやりたいと言ったんですか。
それとも武田さんが説得したんですか。
武田 半々くらいですね。
武田 100人にヒアリングしている時点で
農業の問題点がすごい見えてきて、
解決方法を考えているうちに
トラ男のプレ版みたいなものが頭の中にできました。

その話を若手の農家さんにしていく中で、
今のトラ男メンバー3人が「新しいことをやっていきたい」とか、
「自分たちのお米を自分たちで売っていきたい」って想いを
持っていることを知って。
じゃあこういうことしませんか、
トラ男みたいなことをしませんかって話をして、
一緒にやろうよということになったんです。
加茂 そういういきさつがあったんですね。

今のメンバー、みんな個性的でいいなと思うと同時に、
悪く言うつもりは全くないんですが
「田舎もの」って感じがするのが好きで。
武田 そうそう、そうなんです(笑)
めっちゃピュアなんですよね。
加茂 動画結構見たんですけど、
かなりつたない喋りっていうか、
カメラ意識しまくって喋っているのがおもしろくて(笑)
(YouTubeのトラ男チャンネルはこちら
武田 動画の撮影って何回やっても慣れないんですよ。
加茂 ここにカンペあるだろ、みたいなのもあって。
武田 あ、でも、今までアップした動画
1つもカンペないんですよ。
加茂 そうなんですか!
ということは一生懸命前日に覚えてきたりとか。
武田 いや、毎回僕が無茶振りをしてるんです(笑)

やっぱり生の声を聞きたいと思うので、
「何も考えてこなくて良いです」って呼んで、
その場で質問して喋ってもらいます。
喋り慣れてない人にいきなり難しいことかもしれませんが、
やっぱり嘘はついてほしくないので。

初めは大変でしたね。
やっぱりカメラを向けられると、
自然な笑顔って僕らでもできないじゃないですか。
「目線くださーい」って言われても無理ですよね。
それと同じで彼らもなかなか
笑顔になってもらえなくてぎこちない感じで。
加茂 今は少しは慣れてきているんですか。
武田 そうですね。
今年の7月くらいに秋田で初めてイベントをやったんですけど。
ボウリング場を貸し切って、3部構成にして。
1部がトラ男とボウリングをしよう、
2部がトークライブ、3部が懇親会みたいな感じで。

それで2部のトークライブの時、
トラ男メンバーがお客さんの前で喋ったんですけど、
打ち合わせほとんど無しにも関わらず
堂々とお客さんの前で話をしていて
「僕なんかより全然喋れるじゃん!」と思いましたね。
加茂 それはたぶん、意見発信をすることを
意識するようになったからでしょうね。

農家の方って、普段同じ人としか話さないじゃないですか。
おじいちゃん、おばあちゃん、近所の人…
特別なことがない限り同じ人としか喋る機会がなくて、
違う人の話を聞くのはテレビしかないという
パターンだと思うんですけど。
武田 そうです。
加茂 そこに武田さんが
インターネットという道具を持っていったら、
彼らが自分の意見を言える場所を見つけて
少しずつ変わっていったんじゃないかなと。
武田 お客さんを意識するようになってきたのが嬉しいですね。
加茂 トラ男の3人は、今までお客さんに届けることを
意識して作っていたわけではないんですか。
武田 そういう想いはもちろん持っているんですが、
今まではJAに全量出荷しているという点で
お客さんには届いてないんですよ。
直接お客さんからの声ももらえないですし。
なので、本当はお客さんのためにと思って
作ってるんですけど、
結局JAに出荷することが目的になっているんです。

僕はそこがおかしいと思っていて、
やっぱり美味しいお米を
お客さんに届けたいと思っているんだったら、
その想いとこだわりを直接お客さんに届ける
流通をつくらなきゃいけない。
加茂 作った人の顔がわかるのは大事ですよね。
CAMPFIREのリターンをもらったときに嬉しかったのが、
作った人がどういう風に作っているのかがわかったことで。
(トラ男のCAMPFIREプロジェクトページはこちら

僕がもらったのは…
8000年ミネラルウォーター農法」でしたっけ?
こんな名称あるんだっていうのがおもしろくて(笑)
武田 勝手につけたんですけど(笑)
加茂 あのキャッチコピーって作った本人が考えたんですか?
それとも武田さんが…
武田 あれは僕が考えました。
農業を知らない人たちに面白いなって
思ってもらいたいなと思ってやったんです。
「水田の貴公子」とかもそうですね。

農業は合鴨農法とか、自然農法とか色々とあるんですけど、
やっぱりそういうのよりキャッチーな、
「なにこれおもしろいじゃん」と思ってもらえるような
名前をつけたいなと思って。
ひたすら色んなマンガ読んだりゲームやったりして考えました。
加茂 「8000年ミネラルウォーター農法」とか、
聞いただけで覚えますもんね。
いったいいつからここでお米作ってたのかと
聞きたくなるくらいのインパクトで。
武田 そうなんですよ。
加茂 トラ男のメンバーは、
代々家を継いでやってると思うんですけど、
みんなだいたい何代目くらいなんでしょうか。
武田 みんな4代目くらいですね。
加茂 やっぱり家ごとに
先祖代々受け継いできた農法とかあるんですか。
武田 ありますね。
土地ごとに稲の生育環境って全然違うんです。
秋田だったらどこでも同じ農法で出来るかといったら
そんなことはなくて。
やっぱり田んぼごと、土地ごとに
作り方って違ってきます。
天候も、例えば山が一つあるだけで全然天候も違って。
天候ごとの栽培方法をはじめとして、
培ってきたノウハウっていうのは
前の世代からずっと受け継いできているみたいですね。

例えば稲を植える間隔を
37センチから38センチに変える事ってあるんですけど、
これはなぜかというと、
稲の間の空気を通しやすくするってことが1つあります。
あと、1つ1つ間隔を空けることによって
1つ1つの稲の伸びを多くするみたいなこともあったりするんです。
そしてこの間隔は天候によって変わってくる。
米作りはそういう細かいノウハウがいっぱいあるんですよね。
加茂 そのノウハウや過程を見て勉強した武田さんが
キャッチコピーをつけて売っているのを見ると、
やっぱりこれからそういう、
良いものを広める人が必要になってくるんでしょうね。

トラ男は今年からお米の定期販売サービスである
トラ男一家」を始められますよね。
そうするとお客さんに向けて
どんなメッセージを送るか考えないといけないので
そこを助けるのが武田さんの
今の役割なのかなと思うんですが。
武田 そうですね。
僕は東京と秋田、農業と普通の人のハーフみたいな感じで。
農家の方々が話したことを
お客さんとの間に立って伝えることが今の僕の役割です。

(つづきます!)

この連載でも何度か出てきますが、
2012年10月より、トラ男は「トラ男一家」という
お米の定期販売サービスを立ち上げました。

会員になると、毎月秋田の美味しいお米が届くだけでなく
おかずや食べ方の説明など、多くの特典がついてきます。

2kg、5kg、10kgと量も選べるので、
一人暮らしでも家族でも大丈夫。
美味しいお米を食べたかった方、
お米は好きだけど重くて買うのが面倒だった方、
定期購入を通じて農家を支援したい方などなど、
ご興味ある方はぜひこの機会に
トラ男一家に入っちゃいましょう!

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