フダンヅカイ
豊かなノイズが生まれる場の発明をめざして ~株式会社ツクルバ中村さんと、お酒を飲みながら小一時間~

第6回 雑多と多様の違い

加茂 そういえば、雑多と多様の違いについて
昨日(このおはなしの前日)Twitterで話していましたよね。
中村 話していました。
加茂 僕もあの一連のツイートを見て考えたんですけど、
雑多っていうのは空気感で、
多様というのはデータなんじゃないかなと。
加茂 雑多な感じっていうじゃないですか。
でも多様な感じとは言わないなあと思って。
co-baでいえば空間が雑多という単語で表すことができて、
入居者一人一人をどんな職業か、何をやっているかと
分類していったら、そのデータを多様という単語で
表すことができるなと思ったんです。
中村 僕はですね、加茂さんのような視点はなくて、
違う意味で考えていました。
中村 雑多は、どちらかと言うと、
砂鉄をぽーんとばらまいたら、
ばーっとなるじゃないですか。
それが雑多なんですよ。

で、そこに、S極とN極を近づけると地場が発生して、
何かしら、みんなちぐはぐの方向を向いているんだけど、
なんとなく方向づくというか。
その状態が多様だなと思っていて。

同じ方向性を持っていない状態が雑多。
どこ目指しているの?
というところが見えない状態とも言えるかもしれません。

例えば渋谷の街も今って、
俯瞰してみるとそうだなと思うんですよ。
かたや、ギャル文化があって、
co-baのあるこっち側は代官山っぽくて、とか。
ざっくりと渋谷と言っているけど、
渋谷に共通のアイデンティティを感じていなくて、
彼らはセンター街に住んでいる感じだろうし、
こっち側の人は、センター街とか行かないんだよね、みたいな。

で、そこに、全体の、例えば「I LOVE NY」みたいな、
ああいうキャッチフレーズが1つあると、
そういった雑多な人たちが同じ方向を向く気がするんですよ。
俺ら渋谷だよね、ホームグラウンドは渋谷だった、みたいな。
その状態が僕にとっては多様なんですよ。
共通言語を持ち得ている状態というか、
それが、雑多と多様の違いなのかなって。
加茂 これはずっと後にどう考えが変わっているか聞いてみたいですね。
中村さんは突き詰めて考えていることが多そうだなと思ったので、
今の考えを聞いてみたいなと思ったんです。

今って雑多と多様の違いは?って聞かれたら、
辞書引けば終わりじゃんという時代じゃないですか。
そんな中で、自分なりの解釈をしようとするのは
すごく大変なことなんだけど、大事なことだと思うんです。
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