フダンヅカイ
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第4回 「あれー!いつの間に?」

加茂 お米って、農家ごとに
味や形に違いはあったりするんですか。
武田 全く違いますね。
同じあきたこまちでも、日本人みたいな感じで
農家が親で、作っている場所が故郷だとして、
あきたこまちは同じ品種だけど
採れた場所によって全然個性が違うんです。

日本人も関西にいる人と東北にいる人では
性格や喋り方が全然違うじゃないですか。
お米もそんな感じで、美味しいお米もあれば、
あまり美味しくないお米もあります。
加茂 ただ、全体を見渡すとあまり美味しく作れない土地で
お米を作っている農家さんもいるはずで。
そういう人たちを救うためにはJAは必要ですよね。
武田 そうですね。だからJAは必要なんです。

ただ、JAの存在まで認められるようになったのは
本当に最近のことです。
いろんなことを知っていくうちに、必要な存在だし、
お互いに認め合って僕らは僕らの流通を
作っていこうと思えるようになりました。

農業を変えることは難しいですけど、
新しい流通を作っていくことは可能なので、
トラ男はそちらの方向に進んでいる感じですね。
加茂 明確に、お米を作った人に対して
「美味しい!」って言えるお客さんが増える
流通の形が一番良いですよね。
武田 それが一番良いです、本当に。

全員が僕らのお米を買わなくてもいいと思ってて。
トラ男をきっかけにしてお客さんが
農家から直接買うような流れができれば、
農業は全体的にすごく良くなってくるんで。

加えて、トラ男の存在を見て
若手農家たちが希望を持つというか
「俺たちもやってやろうぜ!」みたいな流れも作れたら、
農業全体の底上げになってくるのかなと思っています。

今、農家さんもお客さんも
意識を変えていかないといけない時で。
僕は両方の間にいて、もう大変なんですけど(笑)
加茂 いろんな人がいろんな節目を迎えている中で、
武田さんみたいに「よし、じゃあ俺がやってやる」
みたいな人が出てくると流れが変わりそうですね。

ただ、賛同してくれない人も出てきそうな気が。
武田 いますねー。
トラ男のメンバーを募集する段階で
一人ひとりにヒアリングしている時、
「ネット通販やって売れるわけないじゃん」
みたいな感じで断られることもありました。
加茂 ネットって、農業とすごい相性がいいはずなのに
なぜか拒否されるんですよね。
武田 秋田県は米どころなので昔は
「インターネット通販サイト作りませんか」って営業が
たくさん来ていたみたいで、お父さん世代は
ネットにあまりいいイメージを持っていなくて
「ネット大丈夫なのか」「お前だまされてんじゃないのか」
みたいな話を息子たちにしていたみたいです。

トラ男も最初はネットに対する恐怖感が半端なくて。
ネットに接続したらパソコンの情報が
全部取られるんじゃないかくらいの恐怖感を持ってて。
初めは説明が大変でしたね。

でも最近は逆になっちゃって、
自分からFacebookでつながった人と
勉強会やったりとかしてて。
「あれー!いつの間に?」って。
加茂 あれだけ疑ってたのに(笑)
武田 秋田県でも結構ネットに強い地域はあって、
Ustreamの番組とかをやっているところも多いんです。
秋田県って、月~日で、いろんな地域で
Ustreamの番組を持ってるんですよ。
たぶんそういう県ってないと思うんですけど。
加茂 え!そんなことやってるんですか。
武田 それくらい都市部はネットに対して開けてきてますね。
加茂 地方に行くと、家と家の距離が長いじゃないですか。
それをつなげられるのがネットだと思うので、
その動きは良いですね。
武田 僕も2010年当時トラ男を始めるとき思ったのが、
東京のお客さんと秋田の農家をつなげる、
この時空を超えるにはネットしかないということで。
直接買いにくるって無理だから
やっぱりネットで通販をするしかない、
秋田が生き残るにはそれしかないと思って始めました。

でも当時はTwitterが日本で少しずつ広まってきたころで、
Facebookは全く流行ってなくて、
もちろんスマートフォンもそれほど普及してなかったし、
秋田県にいたっては光回線もつながってなかった状況で
僕らはトラ男を始めたんですが…
スタートアップとしては早すぎたんですよ(笑)
加茂 スタートが早すぎて、その後に盛り返したのはすごいですね。

早すぎたと言われる人たちって
だいたい潰れるじゃないですか。
潰れた後に「あの人たち最先端行き過ぎたね」って言われて
終わることがほとんどだと思うんですけど、
トラ男は常に最先端であり続けたのがすごいですね。
武田 常に時代の流れに寄り添っていくような形で、
クラウドファンディングが出てきたら
クラウドファンディングにプロジェクトを提出して、
Facebookが出たらFacebookのページを使ってとか、
柔軟に動いていったことで生き残ってきた感じですね。

(つづきます!)

この連載でも何度か出てきますが、
2012年10月より、トラ男は「トラ男一家」という
お米の定期販売サービスを立ち上げました。

会員になると、毎月秋田の美味しいお米が届くだけでなく
おかずや食べ方の説明など、多くの特典がついてきます。

2kg、5kg、10kgと量も選べるので、
一人暮らしでも家族でも大丈夫。
美味しいお米を食べたかった方、
お米は好きだけど重くて買うのが面倒だった方、
定期購入を通じて農家を支援したい方などなど、
ご興味ある方はぜひこの機会に
トラ男一家に入っちゃいましょう!

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