フダンヅカイ
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第9回 農業を続けていける仕組みを作る

加茂 武田さんは品種改良というか、
「トラ男米」みたいなオリジナルの品種を
作りたいと思ったことはありますか。
武田 ありますね。ただ、品種完了については
農業試験場というところでやらないといけないので、
なかなか一企業がどうこうできる問題じゃないので難しいです。

全体的な農業の今後や、
あきたこまちの品種特性を考えると、
今後10年20年と温暖化が続いてくるとなると
栽培が難しくなってくるので、
あきたこまちの品種改良は必要かなと思っています。

元々あきたこまちはコシヒカリを元に、
秋田の気候風土に適した品種に改良したものなんです。
ただ、今は作られた当時より
だいぶ気温が上がってきているので、
今後は品種自体も新しいものに変えていかないといけない。
秋田県でも新しい品種はできてきてはいるので、
味と、量の面でちゃんと作っていけるのか、
いま色んな農家が実験している状況です。
加茂 お米を作っている現場が変わってきているんですね。
武田 あきたこまちができて約30年経つんですけど、
今後30年、40年とやっていくにあたって
変わっていかなきゃいけないとは思いますね。
武田 本当に、トラ男を始めて色んな分野につながりました。
お米もただ売るだけじゃなくて、
食べてもらうには家庭の調理器具も関係ありますし、
農業の場合だと政治に関わることもあります。
他にも農家に来ていただいて
田植えをやっていただく人のために
観光の分野に携わっていかないといけないとか、
アパレル業界とコラボして農業ファッションを考えるとか、
本当に、色んなジャンルの方と一緒にやっていくことがあって。
加茂 それはトラ男が掲げる
「6Kを3Yに変える」というのにつながってますね。
(『きたない、きつい、かっこわるい、
 くさい、稼げない、結婚できない』の6Yを
 『夢が持てる、やりがいがある、嫁がやってくる』の
 3Yに変えるという考え)
武田 そうです。

今、秋田だけじゃないんですけど農業自体が担い手がいない。
なんでかというと儲からないしやり甲斐がない。
それを夢が持てる、希望が持てる、やり甲斐のある、
といったイメージに変える。
加えて、かっこわるいというイメージを払拭して
かっこいい農業に変えていくのがここ最近の目標です。

今いる農家がきちんと稼げること、
農業を続けていける仕組みを作ること、
農家を増やした時にはちゃんと売り先があること。
そしてちゃんと経済が回って、
農家がやりがい、夢を持って
楽しくやっている姿を発信すること。
そしてその先に新規就農者がやってきて
後継者となる…道のりは長いです。
加茂 10年、20年とかけて実現しそうな話ですね。
武田 このヒゲがわさわさになったころに(笑)
加茂 (笑)
武田 それくらいになったころに、また話をしたいですね。
加茂 「ようやくあの時の夢が叶いましたね」みたいな感じで。
毎年収穫の時期におはなししましょうか。
武田 ぜひ。

僕は2年後までに情報発信を本格的にやるために
秋田に帰りたいと思ってて。
まずはこっちでちゃんとネットワークを作って、
仕組みを作って、イベントをやってっていうのを
あと2年間やっていこうかと。

秋田に行かないとできない情報発信って
すごくいっぱいあるんです。
今農家が情報発信しきれていないテーマがたくさんあって、
もったいないんですよ。
僕はそこを全部キャッチアップして、
秋田から情報を発信していきたいと思っています。
毎日いろんな情報をアップしていくのは
僕だったらできると思っているので。
加茂 情報を発信していく中で、
武田さんみたいにお米を食べるきっかけを
作ってくれる人が増えたらいいですね。
武田 本当はお米屋さん自体がそういう動きをしてくれれば
一番いいと思うんですけどね。

都内だって、お米の美味しいお店ってあるんですよ。
パンが美味しいお店とか、パスタが美味しいお店とかは
雑誌に載っているのに、お米が美味しいお店って
なかなかまとまってなくて。

1人1人ちゃんと土鍋で出してくれるお店とか、
いっぱいあるんですよ。
でも、一般的に飲食店さんは
お米にコストをかけないところが多いです。
加茂 そういうお店の人たちは品種じゃなくて
値段だけ見ているんでしょうね。
武田 そうそう。そうなんです。
逆に美味しいお米を扱っているお店もいっぱいあるので。
そういう情報を発信していきたいですね。
加茂 いやー、おもしろいです。
これだけお米尽くしの話は初めてです。
武田 ですよね(笑)
僕色々なウェブ系のイベントに行っても
お米の話にしちゃうんで。
加茂 それだけお米が好きで、お米を好きになって欲しいと。
そういうのって伝わりますよね。
  (つづきます!)

この連載でも何度か出てきますが、
2012年10月より、トラ男は「トラ男一家」という
お米の定期販売サービスを立ち上げました。

会員になると、毎月秋田の美味しいお米が届くだけでなく
おかずや食べ方の説明など、多くの特典がついてきます。

2kg、5kg、10kgと量も選べるので、
一人暮らしでも家族でも大丈夫。
美味しいお米を食べたかった方、
お米は好きだけど重くて買うのが面倒だった方、
定期購入を通じて農家を支援したい方などなど、
ご興味ある方はぜひこの機会に
トラ男一家に入っちゃいましょう!

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