加茂 | 武田さんは品種改良というか、 「トラ男米」みたいなオリジナルの品種を 作りたいと思ったことはありますか。 |
---|---|
武田 | ありますね。ただ、品種完了については 農業試験場というところでやらないといけないので、 なかなか一企業がどうこうできる問題じゃないので難しいです。 全体的な農業の今後や、 あきたこまちの品種特性を考えると、 今後10年20年と温暖化が続いてくるとなると 栽培が難しくなってくるので、 あきたこまちの品種改良は必要かなと思っています。 元々あきたこまちはコシヒカリを元に、 秋田の気候風土に適した品種に改良したものなんです。 ただ、今は作られた当時より だいぶ気温が上がってきているので、 今後は品種自体も新しいものに変えていかないといけない。 秋田県でも新しい品種はできてきてはいるので、 味と、量の面でちゃんと作っていけるのか、 いま色んな農家が実験している状況です。 |
加茂 | お米を作っている現場が変わってきているんですね。 |
武田 | あきたこまちができて約30年経つんですけど、 今後30年、40年とやっていくにあたって 変わっていかなきゃいけないとは思いますね。 |
武田 | 本当に、トラ男を始めて色んな分野につながりました。 お米もただ売るだけじゃなくて、 食べてもらうには家庭の調理器具も関係ありますし、 農業の場合だと政治に関わることもあります。 他にも農家に来ていただいて 田植えをやっていただく人のために 観光の分野に携わっていかないといけないとか、 アパレル業界とコラボして農業ファッションを考えるとか、 本当に、色んなジャンルの方と一緒にやっていくことがあって。 |
---|---|
加茂 | それはトラ男が掲げる 「6Kを3Yに変える」というのにつながってますね。 (『きたない、きつい、かっこわるい、 くさい、稼げない、結婚できない』の6Yを 『夢が持てる、やりがいがある、嫁がやってくる』の 3Yに変えるという考え) |
武田 | そうです。 今、秋田だけじゃないんですけど農業自体が担い手がいない。 なんでかというと儲からないしやり甲斐がない。 それを夢が持てる、希望が持てる、やり甲斐のある、 といったイメージに変える。 加えて、かっこわるいというイメージを払拭して かっこいい農業に変えていくのがここ最近の目標です。 今いる農家がきちんと稼げること、 農業を続けていける仕組みを作ること、 農家を増やした時にはちゃんと売り先があること。 そしてちゃんと経済が回って、 農家がやりがい、夢を持って 楽しくやっている姿を発信すること。 そしてその先に新規就農者がやってきて 後継者となる…道のりは長いです。 |
加茂 | 10年、20年とかけて実現しそうな話ですね。 |
武田 | このヒゲがわさわさになったころに(笑) |
加茂 | (笑) |
武田 | それくらいになったころに、また話をしたいですね。 |
---|---|
加茂 | 「ようやくあの時の夢が叶いましたね」みたいな感じで。 毎年収穫の時期におはなししましょうか。 |
武田 | ぜひ。 僕は2年後までに情報発信を本格的にやるために 秋田に帰りたいと思ってて。 まずはこっちでちゃんとネットワークを作って、 仕組みを作って、イベントをやってっていうのを あと2年間やっていこうかと。 秋田に行かないとできない情報発信って すごくいっぱいあるんです。 今農家が情報発信しきれていないテーマがたくさんあって、 もったいないんですよ。 僕はそこを全部キャッチアップして、 秋田から情報を発信していきたいと思っています。 毎日いろんな情報をアップしていくのは 僕だったらできると思っているので。 |
加茂 | 情報を発信していく中で、 武田さんみたいにお米を食べるきっかけを 作ってくれる人が増えたらいいですね。 |
武田 | 本当はお米屋さん自体がそういう動きをしてくれれば 一番いいと思うんですけどね。 都内だって、お米の美味しいお店ってあるんですよ。 パンが美味しいお店とか、パスタが美味しいお店とかは 雑誌に載っているのに、お米が美味しいお店って なかなかまとまってなくて。 1人1人ちゃんと土鍋で出してくれるお店とか、 いっぱいあるんですよ。 でも、一般的に飲食店さんは お米にコストをかけないところが多いです。 |
加茂 | そういうお店の人たちは品種じゃなくて 値段だけ見ているんでしょうね。 |
武田 | そうそう。そうなんです。 逆に美味しいお米を扱っているお店もいっぱいあるので。 そういう情報を発信していきたいですね。 |
加茂 | いやー、おもしろいです。 これだけお米尽くしの話は初めてです。 |
武田 | ですよね(笑) 僕色々なウェブ系のイベントに行っても お米の話にしちゃうんで。 |
加茂 | それだけお米が好きで、お米を好きになって欲しいと。 そういうのって伝わりますよね。 |
(つづきます!) |
この連載でも何度か出てきますが、
2012年10月より、トラ男は「トラ男一家」という
お米の定期販売サービスを立ち上げました。
会員になると、毎月秋田の美味しいお米が届くだけでなく
おかずや食べ方の説明など、多くの特典がついてきます。
2kg、5kg、10kgと量も選べるので、
一人暮らしでも家族でも大丈夫。
美味しいお米を食べたかった方、
お米は好きだけど重くて買うのが面倒だった方、
定期購入を通じて農家を支援したい方などなど、
ご興味ある方はぜひこの機会に
トラ男一家に入っちゃいましょう!