加茂 | 僕は最初、武田さんが「たんぽを作っている」 って話を聞いたときに違和感を感じたんです。 なぜかというと僕はたんぽのことを 「きりたんぽ」で覚えちゃってたんです。 |
---|---|
武田 | 「たんぽ」なんですよ。 |
加茂 | で、たんぽを切ったやつが 「きりたんぽ」だということをまったく知りませんでした。 |
武田 | これを知ってるだけで、グルメ通です。 秋田通でもあります。 |
加茂 | ようやく秋田の人とたんぽの話ができるようになると(笑) |
---|---|
武田 | 「これ、きりたんぽじゃないんだよ。実はたんぽなんだよ」 って説明できるだけでも、いい話のネタになります。 |
加茂 | だいたいの人ってたんぽのことを 「きりたんぽ鍋」で覚えているはずですよね。 |
武田 | そうなんです。 まず「たんぽ」を食べるってことがわからないじゃないですか。 僕はそれを広めたいなと思って。 家でも作れるし、外でも持って食べ歩けるし、 簡単だし、美味しいし。 僕らは若い人たちにも食べてもらいたくて、 トマト味とカレー味という オリジナルの味を作って販売してます。 |
加茂 | 秋田のたんぽの食べ方は、やっぱり普通に… |
武田 | 味噌をつけて食べます。 |
加茂 | 秋田では普段から食べられているんですか。 |
武田 | 秋田だと、たんぽは食べないですね。 外で売ってたら食べる程度です。 家でポピュラーなのはきりたんぽ鍋ですね。 |
加茂 | たんぽを家で作って、鍋に入れてって感じなんですね。 |
武田 | たんぽは元々鹿角(かづの)というところの発祥で、 その地域では結構食べられています。 ただ、秋田全土で見ると、 そんなに食べられていないかもしれないです。 |
加茂 | そうすると、鹿角という限定された地域の料理が きりたんぽ鍋という名前で広まって、 いま日本国内で食べられているということですか。 それってすごいですね。 そして、きりたんぽ鍋が広く知られているところで、 武田さんは改めてたんぽがあるとみんなに教えると。 |
武田 | お米の消費拡大というか、 「こうやって変わった食べ方もできるんだ」 と思ってもらえればといった感じです。 |
加茂 | なるほど。 ちなみにたんぽは売るとすぐ売り切れるみたいですが、 そうなると「なんだ、みんなお米好きなんじゃないか」 ってなったりしませんか。 |
武田 | なりますよ(笑) |
加茂 | 僕が感じることとして、お米のライバルに当たる パスタやパンって食べてもらうための 工夫をすごいしてますよね。 パスタは和風の味付けをしたり、 パンはとにかくいろんな種類があって。 今日こうやってお話を聞いていて、 お米って武田さんみたいに 食べてもらうための工夫をしている人が あまりいなかったなぁと思いました。 |
---|---|
武田 | いなかったですね。 お米って、保存方法も調理方法もみんな丸投げです。 |
加茂 | パスタだと太さによって 「○分ゆでる」とかしっかり書いてあるのに。 |
武田 | お米だって適した炊き方とか全部違うのに なぜか説明がないんです。 |
加茂 | 炊飯器に入れて炊けば終了、 くらいの認識しかないですよね。 |
武田 | ある女性が 「パスタとかパンってこだわれるんだけど、 お米ってこだわれないよね」 って言ってたんですけど、全然こだわれるんですよ。 精米度合いだって何種類あると思ってるんだと言いたくて。 玄米、発芽玄米とかいっぱいあるし。 日本全土で作られている お米の品種って約300あるんですよ。 それだけでもこだわれるし、 誰が作ってるとか、どこで作ってるかでもこだわれる。 ワインと一緒です。 美味しいお米を突き詰めようと思ったら いくらでもできるんです。 土鍋で炊くのか、ル・クレーゼで炊くのかでも全然違ってきて。 楽しみ方もいっぱいあるので、 ぜひ僕はそこもみんなに知っていただきたいなと。 |
加茂 | なるほど。 ちなみに、武田さんは秋田のご出身ですが あきたこまち以外に好きなお米ってあるんですか。 |
武田 | あります。実は。 お米は、1つのものを楽しむのもありだと思うんですけど、 色々楽しむのもありだと思っていて。 たとえば岐阜でいうと「竜の瞳」っていうお米があって、 これがめちゃくちゃ甘いんです。 他にも有名なところだと新潟魚沼産コシヒカリ。 なぜ魚沼産が美味しいかというと、 魚沼という地域が米作りにすごく適しているからなんです。 なので新潟県産であれば良いのかとか、 コシヒカリであれば 全部が美味しいのかというとまた違うんです。 で、新潟の魚沼と同じ生育環境なのが 僕が住んでいる北秋田なんです。 それも知ってもらいたいなと。 |
---|---|
加茂 | どの土地で出来たかっていうのは重要なんですね。 |
武田 | すごく重要です。 お米は水と土と温度が重要で、 特にきれいな水を使っているかが重要です。 水源地、つまりどこの水を使っているのかは すごく大事なんです。 新潟や秋田は雪解け水を使えるのがメリットで、 逆に雪の降らない地域は水をどこから引っ張ってくるのか というのが大事になってきます。 水を見ることは1つのポイントで、 あとはどういった土壌なのかも見る必要があります。 もう、本当に奥が深い世界です。 |
(つづきます!) |
![]() |
この連載でも何度か出てきますが、
2012年10月より、トラ男は「トラ男一家」という
お米の定期販売サービスを立ち上げました。
会員になると、毎月秋田の美味しいお米が届くだけでなく
おかずや食べ方の説明など、多くの特典がついてきます。
2kg、5kg、10kgと量も選べるので、
一人暮らしでも家族でも大丈夫。
美味しいお米を食べたかった方、
お米は好きだけど重くて買うのが面倒だった方、
定期購入を通じて農家を支援したい方などなど、
ご興味ある方はぜひこの機会に
トラ男一家に入っちゃいましょう!
![]() |
![]() |
![]() |