フダンヅカイ
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第8回 「たんぽ」と「きりたんぽ」

加茂 僕は最初、武田さんが「たんぽを作っている」
って話を聞いたときに違和感を感じたんです。
なぜかというと僕はたんぽのことを
「きりたんぽ」で覚えちゃってたんです。
武田 「たんぽ」なんですよ。
加茂 で、たんぽを切ったやつが
「きりたんぽ」だということをまったく知りませんでした。
武田 これを知ってるだけで、グルメ通です。
秋田通でもあります。
加茂 ようやく秋田の人とたんぽの話ができるようになると(笑)
武田 「これ、きりたんぽじゃないんだよ。実はたんぽなんだよ」
って説明できるだけでも、いい話のネタになります。
加茂 だいたいの人ってたんぽのことを
「きりたんぽ鍋」で覚えているはずですよね。
武田 そうなんです。

まず「たんぽ」を食べるってことがわからないじゃないですか。
僕はそれを広めたいなと思って。
家でも作れるし、外でも持って食べ歩けるし、
簡単だし、美味しいし。

僕らは若い人たちにも食べてもらいたくて、
トマト味とカレー味という
オリジナルの味を作って販売してます。
加茂 秋田のたんぽの食べ方は、やっぱり普通に…
武田 味噌をつけて食べます。
加茂 秋田では普段から食べられているんですか。
武田 秋田だと、たんぽは食べないですね。
外で売ってたら食べる程度です。
家でポピュラーなのはきりたんぽ鍋ですね。
加茂 たんぽを家で作って、鍋に入れてって感じなんですね。
武田 たんぽは元々鹿角(かづの)というところの発祥で、
その地域では結構食べられています。
ただ、秋田全土で見ると、
そんなに食べられていないかもしれないです。
加茂 そうすると、鹿角という限定された地域の料理が
きりたんぽ鍋という名前で広まって、
いま日本国内で食べられているということですか。
それってすごいですね。

そして、きりたんぽ鍋が広く知られているところで、
武田さんは改めてたんぽがあるとみんなに教えると。
武田 お米の消費拡大というか、
「こうやって変わった食べ方もできるんだ」
と思ってもらえればといった感じです。
加茂 なるほど。
ちなみにたんぽは売るとすぐ売り切れるみたいですが、
そうなると「なんだ、みんなお米好きなんじゃないか」
ってなったりしませんか。
武田 なりますよ(笑)
加茂 僕が感じることとして、お米のライバルに当たる
パスタやパンって食べてもらうための
工夫をすごいしてますよね。
パスタは和風の味付けをしたり、
パンはとにかくいろんな種類があって。

今日こうやってお話を聞いていて、
お米って武田さんみたいに
食べてもらうための工夫をしている人が
あまりいなかったなぁと思いました。
武田 いなかったですね。
お米って、保存方法も調理方法もみんな丸投げです。
加茂 パスタだと太さによって
「○分ゆでる」とかしっかり書いてあるのに。
武田 お米だって適した炊き方とか全部違うのに
なぜか説明がないんです。
加茂 炊飯器に入れて炊けば終了、
くらいの認識しかないですよね。
武田 ある女性が
「パスタとかパンってこだわれるんだけど、
お米ってこだわれないよね」
って言ってたんですけど、全然こだわれるんですよ。
精米度合いだって何種類あると思ってるんだと言いたくて。
玄米、発芽玄米とかいっぱいあるし。

日本全土で作られている
お米の品種って約300あるんですよ。
それだけでもこだわれるし、
誰が作ってるとか、どこで作ってるかでもこだわれる。
ワインと一緒です。

美味しいお米を突き詰めようと思ったら
いくらでもできるんです。
土鍋で炊くのか、ル・クレーゼで炊くのかでも全然違ってきて。
楽しみ方もいっぱいあるので、
ぜひ僕はそこもみんなに知っていただきたいなと。
加茂 なるほど。
ちなみに、武田さんは秋田のご出身ですが
あきたこまち以外に好きなお米ってあるんですか。
武田 あります。実は。

お米は、1つのものを楽しむのもありだと思うんですけど、
色々楽しむのもありだと思っていて。
たとえば岐阜でいうと「竜の瞳」っていうお米があって、
これがめちゃくちゃ甘いんです。

他にも有名なところだと新潟魚沼産コシヒカリ。
なぜ魚沼産が美味しいかというと、
魚沼という地域が米作りにすごく適しているからなんです。
なので新潟県産であれば良いのかとか、
コシヒカリであれば
全部が美味しいのかというとまた違うんです。
で、新潟の魚沼と同じ生育環境なのが
僕が住んでいる北秋田なんです。
それも知ってもらいたいなと。
加茂 どの土地で出来たかっていうのは重要なんですね。
武田 すごく重要です。
お米は水と土と温度が重要で、
特にきれいな水を使っているかが重要です。

水源地、つまりどこの水を使っているのかは
すごく大事なんです。
新潟や秋田は雪解け水を使えるのがメリットで、
逆に雪の降らない地域は水をどこから引っ張ってくるのか
というのが大事になってきます。
水を見ることは1つのポイントで、
あとはどういった土壌なのかも見る必要があります。

もう、本当に奥が深い世界です。
  (つづきます!)

この連載でも何度か出てきますが、
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