フダンヅカイ
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第1回 はじめはすべてが手探り

加茂 トラ男のホームページを見ていて、
武田さんの経歴が農業に携わる人にしては
異色だなと思っていて。
武田 たしかに(笑)
加茂 秋田を出て、大学卒業してデジタルハリウッドに入って…
みたいな感じでしたよね。
武田 秋田には18歳まで、つまり高校生の時までいて、
大学は立命館の情報理工学部に入り、
そこでコンピューター系のことを勉強しました。

卒業後は東京に来て、デジタルハリウッド大学院で
デジタルコンテンツマネジメントを勉強しました。
大学院に通いながら昼間はモバイルコンテンツ制作会社や
アニメーション制作会社で働いて。
トラ男の仕事をする前はそんな生活を送っていました。
加茂 その生活の中で秋田に帰っている間に、
トラ男を始めようと思ったと。
武田 そうですね。
トラ男を始めようと思った当時は
1年に1回は秋田に帰っていたんですけど、
東京から秋田に帰るとギャップがすごくて。
秋田がどんどん衰退しているなと感じたんです。

人もどんどんいなくなってるし、
街でみかけるのはおじいちゃんおばあちゃんばかり、
お店もどんどんなくなっていくし、というのを見て、
秋田を元気にしたいというか、
なんとかしないとこのままじゃやばいなと思って。
加茂 僕は静岡市に実家があるんですけど、帰る度に
街の明かりが消える時間が早くなっている気がするんです。
武田 静岡でもそうなんですか。
加茂 僕が高校生くらいの頃、10年以上前ですね。
それくらいのころも、だいたい20時くらいになると
中心街でも多くのお店の明かりが消えて、
そこをちょっと離れると真っ暗で。
武田 同じです(笑)
加茂 東京に近い方の静岡でこの状態なので、
今の武田さんの話を聞いていると
秋田だったらもっとすごいんじゃないかって。
武田 すごいです。僕が住んでいる地域は
映画館もゲームセンターもボウリング場もないんで、
高校時代は遊ぶところがなくて苦労しました。
加茂 娯楽がないのはきついですね。
武田 きついですね。
その代わり山を駆け巡って遊んだりしました。
結構楽しいものですよ(笑)
加茂 武田さんの地元は秋田のどちらでしたっけ。
武田 秋田県の北秋田市という空港がある街です。

秋田県は2つ空港があって、
秋田市に秋田空港、北秋田市に北秋田空港。
僕が住んでいるのは北秋田空港から近いところです。
加茂 空港が近いということは、結構うるさい感じなんですか。
武田 全然ですよ。
飛行機が1日のうち朝と夕方2本しかこないんです。
加茂 1時間に1本しかこない電車みたいですね(笑)
武田 そうなんですよ、電車の終電も20時くらいですから。
それくらいの田舎で。
加茂 武田さんは秋田にいたときは
農業をされていたんでしたっけ。
武田 実家は農家じゃないんですよ。
ただ、秋田の衰退化を止めるには、秋田を元気にするには
秋田の農業を活性化していかないといけない。

秋田県って、お米の生産量が…
お米って偏差値あるの知ってますか?
加茂 初めて聞きました。
武田 お米の生産量に関して偏差値っていうのがあるんですけど、
人口10万人に対するお米の生産量が秋田県は日本一なんです。
それくらい生産量も多くて、
水田面積が3位くらいでほとんど田んぼだったりして、
食料自給率も174%でこれも日本で2位なんです。
それくらいお米が取れるのが秋田の強みであると。

でも、秋田ではお米を作っている
農家さんの高齢化が進んでいるんです。
10人に7人が65歳以上。
そうなるとやっぱり秋田の米、
あきたこまちを守っていくためには
若手の農家が新しいことに
挑戦していかなきゃいけないと思って。

でも、正直このトラ男を始めるまで
お米がいつできるかすら知らなかったんです。
加茂 秋田に住んでいたのに、ということですか。
武田 普段生活していたらお米がいつできてとか、
「一町歩」がどれくらいの面積かとか、
わからないじゃないですか。

僕の家は農家ではなかったので同じく全く知らなくて、
なおかつ農業を活性化したいのに農家の知り合いもいなくて。
なので、トラ男を始めようと思った当時は
平日東京で働いて、土日で秋田に帰って、
農家さんのもとを1件1件回っていました。
加茂 それを地道に続けたのがすごいですね。
今さらっと「土日に帰って」とおっしゃってましたけど、
東京からだと帰るのにお金がかかるじゃないですか。
武田 かかりますね。当時はすごいかかりましたね。
加茂 帰りはバスですか。
武田 バスです。いまだに全部バスです。
加茂 それはすごい…
トラ男はそれだけ、時間もお金もかける情熱があって
始められたプロジェクトなんですね。
  (つづきます!)

この連載でも何度か出てきますが、
2012年10月より、トラ男は「トラ男一家」という
お米の定期販売サービスを立ち上げました。

会員になると、毎月秋田の美味しいお米が届くだけでなく
おかずや食べ方の説明など、多くの特典がついてきます。

2kg、5kg、10kgと量も選べるので、
一人暮らしでも家族でも大丈夫。
美味しいお米を食べたかった方、
お米は好きだけど重くて買うのが面倒だった方、
定期購入を通じて農家を支援したい方などなど、
ご興味ある方はぜひこの機会に
トラ男一家に入っちゃいましょう!

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