フダンヅカイ
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もくじ
はじめに 日本人より日本人らしいアメリカ人
第1回 思い、気持ち、空間を大事に
第2回 1枚目のアルバムは僕も聞いてて恥ずかしい
第3回 「ここは俺の場所だ」
第4回 自分のために歌ってる?
第5回 ネルのワンコーラスシリーズ
第6回 みんなと手をつなぐ
第7回 僕の大きな夢
第8回 ありのままの音、空気を受け入れる風景

第8回 ありのままの音、空気を受け入れる風景

加茂 これからも、
「自分が今こう思った」ということを積み重ねていって、
nothing ever lastsというバンドは
どんどん前に進んでいくということですか。
ネル そうなっていきたいですね。
加茂 ちなみに今、頭の中にある一番素敵な景色ってありますか。
こういう景色だったら、感動するだろうなっていう。
バンドの活動でもいいですし、個人的な活動でも構いません。
ネル そうだねえ。
僕はやっぱり、景色で言うと、外で音楽をやること。
フェスを作りたいんです。
ウッドストック[*1]ってわかりますか。
加茂 分かります。
ネル あれはもう、みんなが政府に不満を持って、
若者たちが集まりたい場所がほしいんだって言って、
集まって音楽が流れて、
みんな聴いても聴いてなくても一体感がすごかった。

それが最近のフェスって、どんどん企業化してきて、
なんか行く事がステータスになってきたんだよね。
それが嫌だなって。
「かっこいいから行こう」とかではなくて、
もっともっと自由な場所を作りたいんだよね。
ネル 僕が取り戻したいのは、
ウッドストックみたいなフリーダム。

だから僕が思い浮かぶ一番素敵な景色は、
主催じゃなくてもいいんだけど、
日本の広い芝生の上にステージがあって、
そこに集まる人達はお金も使わずに無料で来ることができて、
空気、場所を共有しながら生きていく。
権利関係がどうのこうのとか、誰が出るのとかじゃなくて、
みんながありのままの音、空気を受け入れる風景だな。
加茂 そこには何人くらい集まっているんですか。
ネル 日本人全員でしょ(笑)
逆に10人でもいいですね。人数じゃない。
その瞬間を生きている人たちが本当に生きているんだなって、
そういう風景があれば嬉しいかも。

多ければ多いほどいいんだけど、
本当にその瞬間を生きて人が集まっているんだったら、
それほど嬉しいことはないですね。
加茂 僕の中では人の海みたいなのが
できているのかなと思ったんですが、
「10人でもいい」というのに感動しました。
ネル 人の海だったら嬉しいですけどね。
加茂 きれいに締まったので、
今回はこの辺で終わろうと思います。
今日はありがとうございました。
ネル よかったです。ありがとうございました。
  (この連載はこれにておしまいです。
 最後までご覧いただきありがとうございました!)

[*1]ウッドストック・フェスティバル
1969年8月15日(金)から17日(日)までの3日間(あるいは、8月15日午後から18日午前にかけての4日間)、アメリカ合衆国ニューヨーク州サリバン郡ベセルで開かれた、ロックを中心とした大規模な野外コンサート(Wikipediaより引用)。

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