フダンヅカイ

もくじ
はじめに 多くの人と触れ合う日常
第1回 「いい人、もの」を紹介するウェブマガジン
第三回 編集は特別なものではない
第三回 編集は特別なものではない
第四回 芸の道でご飯を食べられるように

第四回 芸の道でご飯を食べられるように

加茂 石川さんは今後、
東京黎明ノートを通じてどんなことを実現したいですか。
石川 芸で頑張っていきたいと思っている才能のある人が、
その道でちゃんとご飯を食べられるというのが僕の理想です。

それを実現するには東京黎明ノートだけじゃなく
たくさんの人の力が必要じゃないですか。
でも、その問題に対して
「別に今のままでいいんじゃない?」
って人は決して少なくないと思います。

僕が一緒に仕事させてもらったことがある人の中で
具体的にアクションを起こしている人がいます。
山田敦士さんという写真家の方なんですが、
山田さんはもっとアートとしての写真を身近にしたい、
写真を絵のように飾ってもらいたいと考えて、
写真家の方たちと「フォトグラファーズサミット
というイベントを開いていて。

それは今結構大きくなっていて、
渋谷O-eastが埋まるくらい
人が集まる規模になっています。
東京黎明ノートもそういうところとスクラムを組んで
「こういう楽しみもあるんですよ」
というのを知ってもらいたいなと考えています。
加茂 スクラムを組むのは大事ですよね。
ただ、今インターネットが普及して
個人個人がある程度発信できる、
自分の城を持てるようになったので、
連携を取って大きな集まりを作るのは
大変になっているなと感じています。
石川 なのでイベントとイベント、
メディアとメディアじゃないですけど、
そういう形で一緒に何かをやっていく、
というのが良いんじゃないかなと思っています。
加茂 なるほど。ちなみに東京黎明ノートで
紹介した人の作品を販売するとか、
お金を稼ぐための構想はあったりするんですか。

サイトを見ていて思ったこととして、
この人すごいなと思ったとき、
その人が作っているものを買う場合は
本人のサイトにいかないといけないので
「物販あったらいいなぁ」というのがあって。
石川 物販はやりたいですね。

でも、プロとしてやっている以上、
その作品が本当によく見える形で売りたいんですね。
例えば服を紹介するとしたら、
ファッション誌を作っていた経験から
しっかりと撮影したいですし。
ただ、そうすると何十万とかかるので
それを低予算でできる形でできないかとか考えちゃって。

あと、僕はタイミングを考えすぎちゃうところがあって。
どうせやるなら単純にカタログみたいなのを作るんじゃなくて、
このブランドとこのアーティストさんが
コラボしてもらいたいなとか考えて。
で、そういう交渉をしてうまくいかないときもあるので、
だったら別に無理してやらないで、機が熟したときに…
といった感じになってしまうんです。
加茂 でも、実際に自分が応援したい人たちが
芸の道で生きていって欲しいなと思えば思うほど、
その人たちが生きて、かつお金が入るには
どうすれば良いのかは考えますよね。
石川 それはもちろん考えます。
ギャラリーを作ったのはそういう意味もあって。
石川 まだまだ実験的ではあるんですが、
作品を販売して利益を得る役割は果たすことができます。
今後はギャラリーと連動する形で
サイトで販売することもできればいいなと思っています。
加茂 実際にお金をもらって、
長く仕事を続けられるような世界が
東京黎明ノートをきっかけにできれば良いですね。
石川 そうですね。でも別にメディアだからって
大きなことができるとは思っていないので、
東京黎明ノートはあくまできっかけ程度で。

それこそメディアを妄信的に信じちゃう人が多い中で
「メディアの力ってすごいんだぞ」って
作ってる側が過信するのって
ちょっと怖いなって気がするんです。
当然、そういう力を持ち得るんだいう
認識と責任は持っていないといけないですけど。
加茂 メディアが「これはすごいぞ」ではなく、
気軽に「これどうぞ」って感じで
情報発信ができればいいんですけどね。

「これがあれば人生が変わる!」
「これを着ればモテる」とか
過剰に期待を持たせるのではなく、
「これ着たらかわいくない?」
くらいの情報が増えたら良いんじゃないかと。
石川 そうですね。
基本「言い切れ」って最初に教えられるんですが、
そういうのだけが良いとはやっぱり思えないですし。

東京黎明ノートはいま
コンテンツそのものの見直しを考えていて、
単純にコンテンツを増やして、
上の世代の人たちのインタビューに特化した
コンテンツを作るとか色々と考えています。
ただ、なかなか手が回らない状態で。
加茂 僕東京黎明ノートの記事が好きなので、
もっと更新頻度が上がればいいなと。
石川 頑張ります(笑)
やっぱり裏サンデーさんとか見てて
毎日更新ってすごくいいなって思って。
毎日更新されるので「あ、12時になったから見よう」
みたいになるんです。
加茂 ぜひ毎月○日更新みたいな感じで定期更新を。
石川 それは導入したいなと思っているんですけど、
自分だけではなかなか充実させられなくて。
とはいえ、何かをお願いするのであれば
正当な報酬を払いたいなと思っていて、
そこをすごい悩んでいるんです。
なにより、クオリティの低いものを載せても意味がないなと。
加茂 これから折り合いをつけていくということですね。

もっと多くの記事が見られるのを楽しみにしています。
今日はありがとうございました。
(この連載はこれにて終了。
 最後までご覧いただきありがとうございました!

 東京黎明ノートに掲載されている
 フダンヅカイの記事はこちらです。
 あわせて読むと、楽しめますよ。)
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