加茂 | 僕はロフトワークが掲げている 「クリエイティブを流通させる」という言葉が すごく好きなんです。 で、最初はクリエイティブの流通っていうのは インターネットを介していたんですが、 今はFabCafeとかOpenCUとか。 |
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林 | リアルも兼ねています。 |
加茂 | リアルの場を作ろうとしたきっかけは何だったんですか。 |
林 | そうだな。 あんまり綺麗にまとめようとしないで、 フダンヅカイの言葉で答えるならば、 私はネットが大好きなんですよ。 インターネットの接続がないエリア、 携帯が圏外とかになるエリアにいくと、 すごく不安な気持ちになるくらいネットが好きなのね。 インターネットはいろんなモノが出せるし、 無理だと思っていたものが可能になる、 ドラえもんのポケットのようなものだと思っているの。 インターネットによっていろんなものが変わっていくのは、 これから続く大きな社会構造の変革に繋がっていくと思っていて。 産業革命の後にフランス革命が起こって 人民に力があるってなったように、 インターネットがビジネスのありかたを変えて、 人間の考え方も変えていくと思ってる。 それがたぶん何十年も続くと思っているのね。 それくらいネットの可能性を信じているし、 大好きなんだけど、その一方で、 人と人が実際に会わないと生まれない 化学反応みたいなものもあって。 インターネットはびっくりするような出会いを 加速してくれるものだけど、本当の化学反応は やっぱり会わないと生まれないような気もする。 例えば加茂さんが「林さんってどんな人なの」 っていうのをネットを使って事前にいろいろと調べて、 会った瞬間に分かり合えるというのはあるけど、 ネットを使っただけで私と分かり合えるというところまでは いけない気がするのね。 だから、インターネットを使って 出会うチャンスを増やす一方で、 出会う場、リアルな場もそれと同じくらい作っていきたいの。 しかもそれはグローバルにしたい。日本で閉じている必要がない。 今、FabCafeがグローバルになりそうなのね。 台湾でもできるし、シンガポールでもできる。 シンガポールのFabCafeでシンガポールのクリエイターが 「こんなものを作りました」と作り終わった瞬間に、 それがFabCafeの渋谷でもばんっとモニターで出てきたら、 「シンガポールすごい!」ってなって、 そのデータをすぐにダウンロードして渋谷でも作ってみるとか。 そういうのってさ、つながったほうがワクワクするじゃない? |
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加茂 | それがシェアなんでしょうね。 誰かがシェアしたものを見て 「ちくしょうやられた!」って人が世界中で出てきて、 「じゃあ俺はこうやる」となって、 そうなったら本当にグローバルですよね。おもしろそう。 |
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林 | もともとFabCafeを作った時に、 2店舗目は絶対に海外に作ると決めていて、 国内には作らないと決めていたのね。 それが実現しそうで、 すごい面白いチームも集まってきているんです。 |
加茂 | FabCafe自体がすごく魅力的だから 人が集まってくるんでしょうね。 僕も1回行ったんですけど、 あのレーザーカッターで何か切りたいって思いました。 行った時はネタがなかったんですけど(笑)。 あと、MacBookに刻印ができることを知った時に、 「これはみんながやりたかったことじゃないかな」 って思いました(参照リンク)。 ステッカーを貼るのではなくて、 彫りたいって人はいたと思うんですよ。 |
林 | で、彫ると真っ白になるってところがまた感動だよね。 |
加茂 | あれはやられたなって思って。 |
林 | 今はレーザーカッターだけなんだけど、 もう少ししたらチョコレートの3Dプリンターが来るんですよ。 素材はチョコレートにして、 好きな形のチョコレートを作れる3Dプリンター。 そうするとさ、子供でも、奥さんでも、大好きな人に 自分がたった一個のチョコレートを作ってあげるって良くない? |
加茂 | それはすごく作りたいです。 今、そういうたった1つモノの魅力って すごい上がっているなと思っていて。 モノでもクリエイティブは流通するなっていうのは FabCafeを見て思ったんです。 |
林 | そうなんだよね。 しかも、職人的なハンドメイドと、大量生産の工場という そんなに離れた対立の構造ではなくて。 |
林 | 例えばH&Mに行って、 500円のタンクトップを買ってきて、 デジタルミシンでロゴを刺繍する、 それもありだと思っていて。 職人にならなければいけないほど、 みんながオンリーワンを作れるわけではない。 だからと言って、ユニクロとか、H&Mを 否定するものでもなくて、 でもそこにちょっと何かをやるだけで、 自分の分身になる感じ。 となると、素材屋さんが ユニクロであり、H&Mであり、ハンズであり。 大量生産のものは全部素材になって、 そこになにかちょっと自分らしさを加えることも できるようになるんです。 だからこれから色んな物の価値とか 作るプロセスが変わってくるだろうなって。 |
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加茂 | プロセスが変わるという話でいくと、 FabCafeにあるレーザーカッターは ものづくりのプロセスを変えていますよね。 「こんなことができるんだ!」っていうのが ブログなどで紹介されていて、おもしろいなと。 |
林 | うん。で、私はそういうのを食べ物に繋げたいな。 何でもいいんだけど、なんか、海苔とかもさ、 1つずつメッセージが書いてあって、 海苔のセットを送ったりとか。そういうのをしたいんだよね。 ぜひ、海苔とかチョコレートとかFabしにきてください。 |
加茂 | 海苔もできるんですか? |
林 | できるできる。 マークの入った海苔も作れるし、お皿も作れるし、 なんでもできますよ。 |
加茂 | そこまでできるとは知りませんでした… |
林 | あと、さっきもらった名刺を切って、 立たせることもできるよね。 ようは、名刺を渡す時に、この鳥さんを立たせてさ、 ぴゅって「フダンヅカイです」ってやるとかさ。 そういうことだけで、生活の中に幸せが増えるよね。 |
(果たしてツカイちゃんは立つのでしょうか… つづきます!) |