加茂 | FabCafeはたしか、 FabLabと連携して作ったんでしたっけ。 (※FabLab(ファブラボ) 3次元プリンタやカッティングマシンなどの 工作機械を備えた一般市民のための工房と、 その世界的なネットワーク) |
---|---|
林 | そうだね。FabCafeを作った目的は、 FabLabってまだビジネスモデルにはなっていないんだよね。 Labだから学校の組織であったり、どこかがこう、 ファンドレイズしたら成り立つんだけど、 お金を生み出す仕組みがまだ生まれていない。 それに対してFabCafeは、 いかにサスティナブルになるかっていう、 ビジネスとしてのプロジェクトだと思っている。 だからカフェ機能を持たせながら、 そこで生まれたものが ネットで売られていったりするような形で、 いかにサスティナブルに それ自体が存続しうるかっていうチャレンジで。 しかも利益が出たら、 FabLabのネットワークに還元するという存在。 |
加茂 | すごい良いシステムですね。 |
林 | だから早く利益を出さなきゃいけない。 |
加茂 | 林さんがワクワクするものって、 根底に続けるためのシステムが頭にありそうですね。 |
林 | 今、一番興味があるのがサステナビリティー。 ロフトワークも、 儲けるためだけにやらなくていいと思ってる。 だけど、何か社会的な課題に対峙するために 存在しているのであれば、 その課題に継続的に挑戦していきたいじゃない。 だから、サスティナブルでなければいけないの。 その時はちゃんと儲かってないと サスティナブルにはならないと思う。 だけど、一社が儲けすぎた時っていうのはなんとなく、 どこかでワクワクを殺していたり、 あるいは、世界全体で見た時は、 サスティナブルじゃない形になっていたりすると思うの。 で、今ってさ、もうさ、 地球全体で見ないとダメな時代じゃない。 で、いかにそれをサスティナブルな形の ビジネスにできるかが、 これから大きな課題になっていくと思うんだよね。 |
---|---|
加茂 | ロフトワークは12年目でしたっけ。 |
林 | 12年。 |
加茂 | インターネット業界だけでなく、 今10年以上続いている会社ってそうそうないと思うんです。 たぶん林さんがやりたいことを実現するためには 組織がないといけなくて、組織が維持されないと 林さんが解決したい課題に向き合えない。 だからこそ、持続させる仕組みを作って 12年以上続けてこられたんでしょうか。 |
林 | まあ、私がって言うよりは、 たぶん、ロフトワークに集まっている人間っていうのは、 クリエイティブの力でもう少し社会をよくできる、 クリエイティブの力を信じている人間だと思うので。 ミッションはみんな共有しているんだけど、 ビジネスとして利益最大化に走ると、 もともと持っていた クリエイティブの力を最大化するっていうものと 不整合が起こってくるわけ。 ワクワクの素が減っていくんだよね。 |
---|---|
加茂 | うちのサイトもまさにそうですね。 利益出そうと思ったら広告を出せば終わりなんですけど、 うちは出さないんですよ。今後出す予定もなくて。 じゃあ利益どうするのって言われたら、 今は分からないって答えているんですけど。 |
林 | でもそこにさ、 ある程度サスティナブルな仕組みがないと、 自分のワクワクのために始めているのに、 負担になるじゃん。それも嫌でしょ。 だから、なんかその、 間に答えがある気がするというか。 |
加茂 | 僕もその辺りはすごく考えていて、 どうやって続けられる仕組みを作れるか試行錯誤しています。 この前、フダンヅカイに出ている人を改めて見た時に、 会ったらみんな仲良くなれるだろうなっていう人が 集まったなと思ったんです。 集まるというのは変ですけど、 その中でサイトを維持するための利益が 生まれて来たらいいなと思っています。 (つづきます!) |