フダンヅカイ
林千晶さんのプロフィールはこちら
もくじ
はじめに 元気のもと
第1回 量が質を生む
第2回 なんでこれをやろうと思ったの?
第3回 日本で閉じている必要がない
第4回 私がいちばん楽しんでる
第5回 クリエイティブ・コモンズ
第6回 イノベーションをどう作っていくか
第7回 早く利益を出さなきゃいけない
第8回 結びついた時のワクワク度

第7回 早く利益を出さなきゃいけない

加茂 FabCafeはたしか、
FabLabと連携して作ったんでしたっけ。
(※FabLab(ファブラボ)
 3次元プリンタやカッティングマシンなどの
 工作機械を備えた一般市民のための工房と、
 その世界的なネットワーク)
そうだね。FabCafeを作った目的は、
FabLabってまだビジネスモデルにはなっていないんだよね。
Labだから学校の組織であったり、どこかがこう、
ファンドレイズしたら成り立つんだけど、
お金を生み出す仕組みがまだ生まれていない。

それに対してFabCafeは、
いかにサスティナブルになるかっていう、
ビジネスとしてのプロジェクトだと思っている。
だからカフェ機能を持たせながら、
そこで生まれたものが
ネットで売られていったりするような形で、
いかにサスティナブルに
それ自体が存続しうるかっていうチャレンジで。
しかも利益が出たら、
FabLabのネットワークに還元するという存在。
加茂 すごい良いシステムですね。
だから早く利益を出さなきゃいけない。
加茂 林さんがワクワクするものって、
根底に続けるためのシステムが頭にありそうですね。
今、一番興味があるのがサステナビリティー。

ロフトワークも、
儲けるためだけにやらなくていいと思ってる。
だけど、何か社会的な課題に対峙するために
存在しているのであれば、
その課題に継続的に挑戦していきたいじゃない。
だから、サスティナブルでなければいけないの。
その時はちゃんと儲かってないと
サスティナブルにはならないと思う。

だけど、一社が儲けすぎた時っていうのはなんとなく、
どこかでワクワクを殺していたり、
あるいは、世界全体で見た時は、
サスティナブルじゃない形になっていたりすると思うの。

で、今ってさ、もうさ、
地球全体で見ないとダメな時代じゃない。
で、いかにそれをサスティナブルな形の
ビジネスにできるかが、
これから大きな課題になっていくと思うんだよね。
加茂 ロフトワークは12年目でしたっけ。
12年。
加茂 インターネット業界だけでなく、
今10年以上続いている会社ってそうそうないと思うんです。

たぶん林さんがやりたいことを実現するためには
組織がないといけなくて、組織が維持されないと
林さんが解決したい課題に向き合えない。
だからこそ、持続させる仕組みを作って
12年以上続けてこられたんでしょうか。
まあ、私がって言うよりは、
たぶん、ロフトワークに集まっている人間っていうのは、
クリエイティブの力でもう少し社会をよくできる、
クリエイティブの力を信じている人間だと思うので。

ミッションはみんな共有しているんだけど、
ビジネスとして利益最大化に走ると、
もともと持っていた
クリエイティブの力を最大化するっていうものと
不整合が起こってくるわけ。
ワクワクの素が減っていくんだよね。
加茂 うちのサイトもまさにそうですね。
利益出そうと思ったら広告を出せば終わりなんですけど、
うちは出さないんですよ。今後出す予定もなくて。

じゃあ利益どうするのって言われたら、
今は分からないって答えているんですけど。
でもそこにさ、
ある程度サスティナブルな仕組みがないと、
自分のワクワクのために始めているのに、
負担になるじゃん。それも嫌でしょ。
だから、なんかその、
間に答えがある気がするというか。
加茂 僕もその辺りはすごく考えていて、
どうやって続けられる仕組みを作れるか試行錯誤しています。

この前、フダンヅカイに出ている人を改めて見た時に、
会ったらみんな仲良くなれるだろうなっていう人が
集まったなと思ったんです。

集まるというのは変ですけど、
その中でサイトを維持するための利益が
生まれて来たらいいなと思っています。

(つづきます!)

まえへ 最新の更新へ つぎへ